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SIMロック解除義務化

6月30日、総務省のICTサービス安心・安全研究会は、消費者保護ルールの見直し・充実に関するWG(ワーキンググループ)を開き、中間とりまとめ案を公表しました。案には大手の携帯電話会社がスマートフォンなどの端末で他の通信会社の回線を利用できないように制限している「SIMロック」を、解除することを義務づけるルールを設ける方針が盛り込まれました。他にも、携帯電話やインターネットなどの情報通信サービスについて、利用者が販売店から詳しい説明を受けずに契約した後の一定期間内であれば解約できるクーリングオフ制度についても盛り込まれています。

中間とりまとめ案では、大手が顧客の囲い込みのために、事実上2年に一度しか解約できない仕組みである2年縛りの見直しも検討しています。さらに通信サービスに関する苦情や相談を受け付ける第三者機関の設立も盛り込まれました。総務省はこれらの案件について、学識経験者などで作る研究会で議論し、基本的なルール作りを年内にとりまとめたいとしています。


徹底されていなかったSIMロック解除

中間とりまとめ案では、SIMロックが利用者の利便を損なっていることや、新規顧客獲得の際に多額のキャッシュバックが行われている原因となっていることを指摘しました。そのことから、事業者がSIMロックを初めから掛けないようにするか、掛けた場合でも一定期間経過後は利用者の負担が無い状態で解除に応じるべきだと結論づけています。

実はSIMロック解除については、2010年にも総務省がガイドラインを策定し、キャリアに対してSIMロック解除を求めていましたが、限定的な取り組みしか行われていませんでした。そのため、WG内では業者任せにせずに、規制をかけるべきだとの指摘が出ていました。実際、現在の状況としては、NTTドコモがiPhone以外の機種で対応、ソフトバンクモバイルでは4機種で対応、KDDIのauは対応無し、と足並みは揃っていません。今回のSIMロック解除義務化では、解除を行わなかった場合は電気通信事業法に基づいた業務改善命令の対象にするとしています。