2月3日、ブロックチェーン研究組織の結成を求める法案がハワイ下院を通過した。

法案ではブロックチェーン技術の研究を進めるとともに、ビットコインに代表される仮想通貨が観光都市として人気の高いハワイにもたらす恩恵にも焦点が当てられている。

金融サービスから観光産業まで ブロックチェーンの恩恵を追求

世界中を熱狂させているブロックチェーンだが、どうやら観光客でにぎわうハワイもその秘められた可能性に魅了されたようだ。

1月25日に下院に提出された法案は、ブロックチェーン研究組織の結成により、ブロックチェーン技術導入がハワイの産業や住民の生活向上に役立つ可能性を追求するという内容だ。具体的にはデジタルID(身分証明)、ヘルスケア、法律、金融サービス、製造、観光業などへの利用が検討される。

世界各都市ではすでに様々な研究組織が結成されているが、ハワイの組織は仮想通貨と観光業にも重点を置いている点が目新しい。

法案は「ビットコインなどの仮想通貨の導入はハワイにとって様々な利点がある」とし、ハワイの観光客の多くはビットコインユーザー率の高いアジア地域から訪れている点などを挙げている。

ビットコインを宿泊施設や娯楽施設に普及させることでユーザーに快適な環境を提供し、誘致につなげるという発想だ。年間観光客数828万人、来訪観光客総支出額149億ドル(約1兆6784億円/2014年統計:ハワイ州産業経済開発観光局)を誇るハワイにとって、観光業は州最大の産業である。ブロックチェーンや仮想通貨でその観光業をさらに促進するという発想は、けっして非現実的なものではないはずだ。

法案が承認された場合、研究組織を結成し、研究・導入に関する本格的な報告書の作成に着手する。実現への道のりははるかに遠いと予想されるが、ハワイの観光産業を大きく変える第一歩となりそうだ。( FinTech online編集部

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