NTTドコモ 現状打破のためには

とはいえ、NTTドコモを取り巻く現状はまだまだ厳しいものがあります。新規契約数はワースト、MNPによる契約者流出の流れは近年激しくなっています。また今回打ち出した音声通話定額制も、他社の追随を受けています。SoftBankはNTTドコモの発表後、すぐに音声通話定額制を打ち出し、同年7月1日には実施に至るという、まさにSoftBankの高速スピード経営の骨頂を見せました。スピード感では劣っていたauも、同年8月13日から固定電話までもをプランに含めた音声通話定額制の開始を発表しています。

かつて機種で差別化を図っていた時代が終わりを告げたと言っていい昨今。今後NTTドコモが現状を打破していくためには、音声通話定額制に終わらないサービスの充実が急務となります。また、今後は競合2社だけでなく、LINEなどの通話アプリの動きも視野に入れたサービスの充実が必要だと考えられます。

そして、これまで業界内でタブー視されてきたNTTドコモによる固定回線とのセット割も、今後のNTTドコモ躍進のためには視野にいれるべき項目なのかもしれません。この点は、法律に触れるか否か解釈が分かれている部分でもあるため、一筋縄ではいかないことは間違いありません。ただ、こうした問題をクリアにし、実行に移すことができれば、NTTドコモが大きく躍進することは明らかです。停滞気味の携帯電話業界でどう生き残りを図るか、今後のNTTドコモの戦略は、携帯電話業界をけん引する事になるかもしれません。


NTTドコモの今後の行く末

これまで鈍牛と言われ続けたNTTドコモ。2014年6月から始まった音声通話定額制が契約数にどう影響するのかは、ぜひチェックしておきたいところです。この制度を皮切りに勢いを付けられるのか、そして全面刷新された基盤システムをもとに、どんな新サービスを打ち出すのかが、今後のNTTドコモの行く末を大きく左右するのではないでしょうか。

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