デンマークのノルディア銀行が業務の一部に「バーチャル従業員」を採用し、繰り返し単純作業のAI化計画に乗りだした。

例えば生命保険・年金部門「Liv」に採用したAIシステムは人間よりも仕事が80%早く、ミスの発生率も0%だという。

8割の銀行員が「3年以内には主要カスタマーサービスがAI化」と回答

2009年に「デジタル・ハブ」を開設するなど、早期段階からテクノロジーに関心を示していたノルディア銀行。テクノロジーを「従業員」として活用することで、大幅な業務の効率化に成功している。

「Liv」のスタッフはコンピューター越しに、「バーチャルな同僚」と共同作業を行う。人間の同僚とのやりとりでありがちな時間の浪費やミスが軽減され、仕事の能率や正確性が高まるという。

日本でもみずほ銀行がIBMのコグニティブ・テクノロジー(機械が自ら学習する技術)「 Watson」を利用した、コールセンター業務およびカスタマーサービス業務の自動化に取り組んでいる。ノルディア銀行もより高度なAI技術の採用に向け、同様の方向性を打ちだしている。

アイルランドの総合コンサルティング企業、アクセンチュアの最新調査でも、銀行員の75%が「AI技術でユーザインタフェースを簡潔化し、より人間に近い顧客経験を創造できる」との見解を示しており、「3年以内には銀行の主要カスタマーサービスがAIベースになっている」と確信している。

そうなるとやはり「ロボットが人間から仕事をうばう」という点が懸念されるところだ。しかし、ノルディア銀行のロボティクス戦略・革命部門の責任者、マティアス・フラス氏は、「ロボットを開発するのも、管理するのも人間」と、テクノロジーと人間の共存を主張している。( FinTech online編集部

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