赤字から黒字へと急成長を見込むミクシィ
ミクシィが前期の赤字から黒字転換を見込むその訳にユーザー数が600万人を超えたスマートフォン向けゲームアプリであるモンスターストライク効果があります。2014年3月期の連結業績は、売上高は121億5500万円(前年同期比3.8%減)、営業利益は4億800万円(同81.3%減)、経営利益は2億6300万円(同90%減)、純利益は2億2700万円の赤字(前年同期は16億5400万円の黒字)となりました。
年間ベースでは大幅な減収減益となりましたが、四半期ベースで見ると第4四半期(1~3月)は売上高が57億9800万円(第3四半期比143.8%増)、営業利益は9億9000万円(第3四半期は1億1100万円の赤字)、経常利益は9億円(同1億1100万円の赤字)、当期純利益は13億4500万円(同2億2100万円の赤字)と、一転して大幅な増収増益となりました。
ミクシィを救った要因
その要因となっているのは、2013年10月に配信を開始したスマートフォン向けゲームアプリであるモンスターストライクがあげられます。最大4人での同時プレイなどが特徴のゲームアプリであり、昨年10月のリリース後、利用者は12月末に100万人、1月に200万人、2月に300万人、3月に400万人を突破していました。1年半ほど続いたパズドラの首位独走を阻み、モンスターを指で引っ張って敵を倒すという簡単な遊び方が高校生から社会人まで幅広くうけが良く人気があるゲームです。
大々的に3月からテレビCMなどでさらに人気に火がつき、ほかにもYouTubeやニコニコ生放送などのウェブプロモーションを展開し、それが功を奏したとされています。既に累計ダウンロード数は600万を突破していて、5月15日の10時にアップストアで1位になったことがわかると、早くもその数時間後には渋谷のミクシィ本社にネット企業などから「1位おめでとうございます」というメッセージの添えられた巨大な花環が続々と届くなど一時沸きました。翌日にはまた2位戻ったものの、パズドラ独り勝ちが続いていたスマホゲームにおけるエポックメーキングな出来事だったといえます。決算説明会で登壇したミクシィ執行役員の森田仁基氏は「インストール数のペースが落ちてきたところだったが、そこから再加速した」と語っており、4月27日付けで利用者数が600万人を突破する形になったようです。
またApp StoreとGoogle Playのセールスランキングも上昇で、1月には月平均10位前後だったのが、5月にはApp Storeは2.4位、Google Playは2.6位になっていて、これによって売上原価による外注費、販管費における広告宣伝費や決済手数料、業績回復に伴う賞与引当金の増額により一時的な人件費についても増加しているようです。