現在の為替動向がデンソーに与える影響とは

デンソーは、世界中の国で、製造・販売を行っている会社なので、為替レートの変動が収益に大きな影響を与えてきます。特に、デンソー会社の売り上げの重要部門を占める、アメリカの地域(米ドル⇔日本)欧州(ユーロ⇔日本)の円高は、デンソーの事業に悪影響を及ぼし、収益にかなり痛手になる事を意味します。その為、デンソーでは為替ヘッジ(予め決められたレートで取引する、為替の変動による影響を抑えることができます)を行っており、短期的な為替変動には影響を最小限にとどめるようにしているようです。しかし、長期的に為替の変動が思いがけない方向に進んでいくと(この場合は、予想以上に円高がすすんでいくと)会社の業績、財務に影響がでてきます。為替は、デンソーだけでなくグローバル企業にとって、影響は小さくないという事を意味します。


先進国(アメリカ)と新興国の景気の状況

デンソーは、来期は増収減益という予想をだしています。2013~2015までの2年間については、グローバルな体制を整える為の設備投資の期間ととらえているようです。ただ、アメリカや欧州等については、景気が底を打った事、車両生産台数が増えて2013年度は増収になっていますし、来期も増収の予想をだしています。新興国に関しても、工場の拡張を行って今後の収益確保をする基礎固めの期間ととらえている様子です。ただ、近年の競合他社による価格競争リスク、海外で生産・製造を行うことによる、テロや戦争などのリスクなど、不安定な要因は多々ありますが、今の所自動車の需要は来期も増えてくるだろうとみているようです。


為替と海外進出による収益からみるデンソーの今後

デンソーは、2013年度3月決算の中で、2015年の中期計画を発表しています。それによると燃料改善、CO2削減に向けた省熱技術の開発などやコスト競争力にむけての技術の開発。また、グローバル生産体制を整える為に、この2年間は、世界各地、主に新興国等での工場の拡張や新規投資等を行う予定です。また、自動車部品で培ってきた技術を元に他分野にもその技術を活かして収益や社会貢献につなげていこうという取り組みを発表しています。例えば、農業支援システムなどで、農作物の安定生産や収穫量などの増加に貢献ができるとされ、自動車の安全。安心のセキュリティシステムを生活の中にも応用していけるような事を開発したりと、自動車以外の分野での収益も今後期待したいところです。株主に対しても還元していこうということで、2014年3月決算時点での株主には、105円の配当が支払われました。来期は、10円減配ですが、95円ということで、株主還元にも力をいれている様子がうかがえます。最近では、トヨタ自動車も、EV自動車と水素燃料の自動車を発表し、エネルギー関連で株式市場を賑わしていますが、まだまだものづくり日本の力は健在だなと感じました。

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