8月12日(月)に、2013年4月~6月のGDP速報値が発表されました。市場予測を下回ったものの、年率換算で2.6%増という高水準の結果となり、3四半期期連続のプラス成長となりました。
またそれを受けて消費税の増税も決定し、それによる景気悪化を防ぐためにより一層の政策を打ってインフレ目標を実現させてくる可能性があります。そうした状況を踏まえて、私達も、資産運用を行っていく必要があります。そこで、今回はNISAで長期投資を行う際、どういったところに投資すればよいのかについてお伝え致します。
「NISA(ニーサ/日本版ISA)」で長期投資すべき理由
はじめにNISAについて簡単にお伝えしますと、NISAとは2014年から2023年の間に、新たにNISA用の専用口座で株式や投資信託を購入した場合、年間100万円までの投資金額に対して、5年間は配当や売却益が非課税になるという制度です。
2014年から投資を始めた場合、2018年まで毎年100万円ずつ、計500万円が非課税対象枠となります。
ちなみに、この年間100万円の非課税枠は一度売却するとその分を二度は使えません。また、投資した銘柄が値下がり、確定損失を出してしまった場合には、その損失を利益が出た分と相殺することはできません。
ですから基本、NISAは短期の値上がり益を狙うよりも、長期的な成長やインカムゲインを目的に利用した方が向いているといえます。
そもそも資本主義は、経済的成長が前提となっており、上げ下げを繰り返しながらも、より上を目指して、植物の種のように成長していきますので、撒いた種をすぐほじくり返すようなことはせず、しっかり時間という栄養を与えてあげた方が利にかなっているのかもしれません。
個人的にも、短期投資は、売買の手数料分、利益が減ってしまいますし、方向感に乏しい場合は特に、買うタイミングが難しく、待つのも相場といった日数が結構あるので、配当や優待目的に持ち続けている銘柄の方が、結局は効率もいいと感じています。それでは、長期の投資対象として何を選べばよいのかについて、以下、簡単にご紹介させて頂きます。
NISA(ニーサ/日本版ISA)の投資対象1 ETF・JREITについて
NISA長期投資に向いている商品としては、まずETFとJREITが挙げられます。
ETFとは証券取引所に上場している投資信託のことです。株式と同じように取引時間中リアルタイムで売買することができます。投資対象は日経225やTOPIX等の日本の指数から、外国株式、金やプラチナの先物指数に至るまで様々です。投資信託に比べ、信託報酬も安いので、ETFを組み入れることで、より、効率的に分散投資をすることが可能になります。
次に、JREITとは、証券取引所に上場している不動産投資信託のことで、多くの不動産に分散投資をし、そこで得た賃料や売却益を、投資家の方々に分配する商品です。
デフレ時には、定期預金や国債にしておいた方が、貨幣価値自体が上がっていく上、リスク資産は不景気で下がることが多いので、メリットは大きくなります。しかし、現在、日銀は2%のインフレ目標を掲げており、今後本当に実現されれば、貨幣価値は年間2%ずつ落ちていくことになります。そういった局面では、不動産等に資産の一部を移しておくことはとても大切です。
また、分配金利回りも株式の配当利回りに比べると高い傾向にありますので、NISAを使って非課税にすることで、より効率的に投資リターンを得ることができます。ただし、どちらも出来高の少ない銘柄もありますので、流通性の観点から、あまり薄商いのものは選ばないようにした方がいいでしょう。
NISA(ニーサ/日本版ISA)の投資対象2 TPP関連銘柄
次にNISAで長期に投資したい分野としてTPP関連銘柄が挙げられます。TPPの参加によって影響を受ける分野としては、農業や医療、保険、福祉、自動車等様々ですが、その中でも、最も伸び代があるのが、農業ではないでしょうか。
現在は高い関税で守られている農業ですので、TPPによって関税が引き下げられてしまえば、現在の農家の多くが廃業に追いやられてしまうとの懸念もあります。しかし、これまでの農家とは異なり、企業が農業に進出し、栄養価をより高めた付加価値のある製品の開発も進んできています。
余談ですが、ベンチャー企業のオーナーに、今どこに一番熱心に投資しているかお伺いする機会があったところ、農地との答えが返ってきました。ですから、井関農機(6310)やクボタ(6326)等、農機の銘柄をはじめ、住友化学(4005)といった農薬や肥料に関する銘柄も面白いかもしれません。
NISA(ニーサ/日本版ISA)の投資対象3 少子高齢化関連銘柄
NISAで長期に投資したい分野として次に挙げられるのは、少子高齢化関連銘柄です。
食事の宅配や老人ホームを運営しているワタミ(7522)の他、労働人口の拡充のために女性の雇用が重視されてきていますので、それに伴う待機児童の問題に関連した銘柄なども魅力的だと思います。
NISA(ニーサ/日本版ISA)の投資対象4 新エネルギー関連
エネルギー関連銘柄も長期に渡って、研究、開発が必要な分野ですので、NISAで行う長期投資の対象として選択肢に入れておきたい分野です。更に、シェールガスの発見に伴い、エネルギー分野はより注目を浴びていると思います。
もちろん一口にエネルギー関連といっても、風力発電等の再生可能エネルギーをはじめ、LPG関連や海外の資源権益等、多岐にわたります。個人的には、上場して間もない新興企業や、仕手株は避け、石油資源開発(1662)等シェールガスの発掘に携わっているような企業が狙い目ではないかと思います。
以上、簡単にではありますが、NISAを使った長期投資先のご紹介をさせて頂きました。ご紹介した分野に共通していることは、国が政策をとっているということです。「政策に売り無し」という格言もありますが、長期投資をする上で、日本が今後どのような方向へ向かっているのか意識することは大切だと思います。最後になりますが、少しでも皆様のお役に立てることができればうれしく思います。
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