日本社会は高齢化が著しく、若年労働力不足が深刻化してきた。そこで近年の日本は、毎年8万人を超える中国人留学生を招請している。経営管理を中心に学び、日本企業への就職環境も好転している。そうした背景を踏まえ、中国ネットでは日本留学のトピックが増加中である。今週某留学サイトは、留学するのに最も適した日本の大学10選を発表した。中国人は日本の大学をどのように評価しているのだろうか。

10〜6位 関東の国立大と早稲田

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(写真=PIXTA)

第10位 筑波大学 伝統と革新のマッチング

筑波大学は日本の大学改革のモデルケースであった。1973年廃止となった東京教育大学の資産をすべて継承し、現在の筑波市に新型大学として創立された。そして世界的老舗大学に匹敵する学術成果を挙げている。今も日本第一の新型国際化国立大学である。

第9位 東京工業大学 マサチューセッツ工科大に匹敵?

東京工業大学は120年の輝く歴史を持ち、さらに21世紀の世界的な理科系総合大学を目指している。長期目標は研究に注力し、人類の知的領域を拡げることである。特徴は文科系がなく、女子学生が極めて少ないこと。

第8位 一橋大学 圧倒的な就職率を誇る

一橋大学は旧制三大商科大学の一つで文科系ではトップランクである。経済界に人材を供給し続け、少数精鋭のエリート教育でも知られる。全世界のCEO出身大学ランキング43位、楽天の創業者・三木谷浩史はOBである。

第7位 東京医科歯科大学 歯学部は日本最古

日本医学の実力は周知の通りである。その中でも東京医科歯科大はトップランクだ。同校卒業生の平均年収は3000万円以上といわれている。研究成果では再生心筋の培養技術が有名である。

第6位 早稲田大学 伝統を尊重

早稲田大学は日本で最も有名な私立大学である。多くの首相を出している。前首相・野田佳彦は7人目である。「ウチには早稲田出身の親戚がいます」という人に会えば多くの有名人、国会議員に出会えそうである。

5〜1位 2トップは予想通り

第5位 慶應義塾大学 ブランド力に定評

慶應義塾大学は明治の思想家・福沢諭吉により設立された。日本最初の近代的教育系統を導入した私立大学である。英国・オックスフォード大学に比較される。理科系、文科系のバランスは大変よい。小泉純一郎元首相はOBである。

第4位 大阪大学 大阪の開放的雰囲気を体現

大阪大学は国立の研究型総合大学である。旧七帝大の1つで、日本大学ランキング3位、世界ランク50位である。ノーベル賞級の研究も行われた。

第3位 東北大学 有力中国人OBも

東北大学は国立の総合大学で、顕著な研究成果を上げている。不断に有力な学者が現れ、その業績は世界的である。医学、工学、理学で名高い。かつては魯迅が医学専科に在籍していた。また中国の著名数学者・蘇歩青も本学数学科のOBである。

第2位 京都大学 弱点のないオールラウンダー

京都大学は1892年設立の日本で2番目の国立大学である。最初から東京大学と並立、競争させる目的だった。アジア大学ランキング2位、世界ランク30位、いわゆる超一流大学である。台湾元総統・李登輝はOBである。

第1位 東京大学 入試最難関を維持

東京大学は、日本の最高学府である。OBは政界、経済界、学術界の重要人物ばかりだ。8名のノーベル賞受賞者がここで研究を行っていた。比較されるのは米国ハーバード大学だが、文科系は同大より弱い。しかし物理・化学は世界のトップである。

中国人留学生の就職事情

ランキングそのものは、偏差値順に並べただけのひねりのない印象だが、記述はおおむね正確である。

最後に中国人留学生OBの日本企業へ就活する上での懸念を紹介しよう。

・就活のスーツと革靴、白の襟付きシャツに手入れした髪、中国人留学生には、まったく同じ服装に見え圧迫感が強い。
・就職戦線のルールが頻繁に変わる。内々定などで早めに確定しているケースも多く、無駄足になりやすい。
・筆記試験と面接は日本語が流暢な留学生でも難題。日本人学生ならわかる隠れた意図がわからず“友好的”ではない。

留学生OBは、このようにトップ10有名校は就職に有利だが懸念も多いと結んでいる。一方で同じ漢字文化圏のため最も安心して暮らせる国という意見も強い。ここでも文化のせめぎあいが起こっていた。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)