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2014年8月6日にgumiとLINEは資本業務提携に基本合意したということで大きな話題を提供しています。gumi・LINEが発表したプレスリリースには、「LINE では、積極的にグローバル進出を進めヒット作を生み出し、常に新しい挑戦をし続ける gumi を、共に成長し海外展開を推進する上での最適なパートナーであると考え、今回の提携合意に至りました。本提携により、LINE は gumi が実施する第三者割当増資を引き受けることで gumi のゲームコンテンツ開発を資金面で支援し、gumi は年内にも LINE のプラットフォーム向けに新たなゲームコンテンツ開発に着手するとともに、今後は、年間複数本のゲームコンテンツの提供を行ってまいります。」とのコメントがでております。

この提携は両者が海外展開を推進していく上で最適なパートナーと考えたために実現しました。gumiは圧倒的に世界を獲りに行くと意気込んでいます。gumiは7月にベンチャー投資・育成会社であるWiLなどを引受先に50億円の第三者割当増資を実施したことも発表しました。近年の未上場インターネット関連企業としては極めて高額の資金調達となります。ブルームバーグによると12月にも東証1部上場が見込まれています。本稿では熾烈な競争を極めるソーシャルゲーム業界の中で存在感を示してきたgumiのこれまでの取り組みと今後の戦略について迫りたいと思います。


モバイルSNS企業としてスタートしたgumi

gumiは2007年に現在の最高経営責任者(CEO)を務める國光宏尚氏によって創業されました。まずは國光氏のユニークな経歴について簡単にご紹介いたします。國光氏は高校卒業後、日本の大学には進学せずに10年間かけて中国、チベット、インド、カナダ、中南米、米国など世界30カ国をバックパッカーとして放浪します。2000年にアメリカカリフォルニアのサンタモニカカレッジに入学し、NPO団体等の活動に積極的に取り組みます。大学卒業後の2004年に日本に帰国し、映像制作会社アットムービーに入社します。アットムービーはフジテレビにて制作を行っていた有名プロデューサーによって立ち上げられた映像系のベンチャー企業です。國光氏は当時映画やドラマのプロデュースに携わり、インターネットやモバイルを活用した様々なプロモーションの企画を行いました。2007年6月にアットムービーの取締役を退任し、モバイル系SNSサービスを提供するgumiを創業しました。インターネットを活用した新しいエンターテインメントコンテンツをつくりたい。そのような想いが創業の根幹にありました。

Facebookのオープンプラットフォーム化に強い影響を受けて、gumiもオープンプラットフォームのSNSを開始しました。しかし、当時プラットフォームにコンテンツを提供してくれる企業はまったく集まりませんでした。そこで自分たちでコンテンツをつくり、自分たち向けにコンテンツを提供していました。そして2009年にmixiがオープン化した時にそれまで自分たちでつくってきたコンテンツをmixiプラットフォーム向けに公開しました。その後のモバゲー、GREEのオープン化にもあわせてコンテンツ提供を開始し、先行者メリットがうまく働きgumiは急激に成長していきました。2011年にはガラケーブラウザゲームが主流となりモバゲーとGREEが大きく躍進しました。そうした中、gumiはWebアプリを大量に開発し『任侠道』をはじめとするヒットタイトルをリリースして成長企業の仲間入りを果たします。『FIFA』や『モンハン』といった大規模ゲームの開発にも乗り出して事業規模を順調に拡大させていきます。当時gumiのアプリはGREE上でトップランキング入りを果たします。