◉他の指標やファンドとの比較の重要性


そこで、 「“同時期”に“同地域・同対象”に投資するファンドと比べてどうか?」という視点を持つ事が大切です

つまり、 「市場平均であるインデックス等と比べてどうか?」ということ です。

ヘッジファンドは、絶対的リターンを上げることを目標にしています。そのため、毎月プラス・マイナスがいくらかという過去から現在にかけてのパフォーマンス表が、月次で表示されます。

一方、 投資信託は、相対的評価を行うため、1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月・1年・3年・5年といったパフォーマンス表示が一般的 です。これは簡単に言えば、上記したように設定来のパフォーマンスにすると、そのタイミングの影響を受けるため、同じ期間で平等に比較するということです。

投資信託は、同時期の他の同類ファンドと比べて、

・ファンドの上昇率はどうか
・下落率はどうか
・どういったセクターを重視して運用しているか
・運用しているセクターは将来的な成長が見込める分野か

(ファンドマネージャーの裁量で将来的に変化するものではありますが)

という所まで見て、判断した方が良いでしょう。

ちなみに、自分でパフォーマンスを含めていくつかの指標を比較したい場合は、 モーニングスター の機能がお勧めです。日本で扱われている投資信託のトラックレコードから、分配金実績を始めファンドごとで比較が可能になってます。

参考:金融系アプリを使いこなす~その2『株・投信情報byモーニングスター』

簡潔に述べると、下記のようなファンドが良いと思われます。

・一括投資だったら、上昇率が高く、下落率が低いもの。
・積立投資だったら、上昇率が高く、下落率も高いもの。

(以下で詳説しますが、ドルコスト平均法を活かした安値買いを行うため、変動率が高い方が向いています。)

◉積立投資の魅力〜ドルコスト平均法とは?


積立投資とは、毎月一定の金額を投資する運用手法です。

価格が安いときには多くの口数を、高いときには少ない口数を自動的に購入することができます。そのため、口数を一定量ずつ買付けたときに比べて、価格が安いときには多くの口数を買っていくため、平均コストを低く抑え、効率の良い運用が期待できる効果が効いてきます。

参考:スルガ銀行

積立投資は、一括投資とは異なり、上昇し続けるファンドに投資をするのが良いという訳ではありません。実は、投資初期には値を下げて最終的に上昇するようなファンドに投資をするほうが、ゴール(投資終了)時の積立資金総額は大きくなるのです。これは、上記したように下落する際に口数を多く買い付けることが効果があるからです。(もちろん、そう簡単に下がってから上がるファンドを選べるとは限りませんが…。)
ですから、積立投資をされている方は、現在の時価評価が目減りしていても、まだ投資期間が10年以上残っていれば、必ずしも嘆く必要はありません。まずは冷静に、今後上昇局面を迎える可能性があるのかどうかを見定めれば良いのです。

投資終了時に資金を最大にすることが目標で、投資期間が10年以上残っているならば、常に上がっていくファンドに投資することや、時価評価が落ちないよう一時的にMMFなどに移行して投資を停止することは、投資機会損失になってしまう可能性もあるのです。

積立投資の最大の味方は時間です。積立投資の場合、市場の変動も、時間さえあれば、プラスに作用する可能性が多くあるのです。
だからこそ、投資に精通していない個人投資家であっても、この原理をきちんと理解し、忍耐強く投資が出来れば、長期の積立投資は成功することが可能となり得るのです。

BY C.O