国内100都市を対象に、今後の成長性を左右する「産業創発力」の現状や将来のポテンシャルを分析してランキングした「成長可能性都市ランキング」が発表された。地方創生のカギともなる、ポテンシャルの高い都市はどこなのだろうか。

総合的な力を持つのは東京23区

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(写真=PIXTA)

調査を行ったのは、日本の最大手シンクタンクとして知られる野村総合研究所。都市圏の人口規模などを考慮して国内の100都市を選定。今後の成長性を左右する「創業創発力」と、将来のポテンシャルを分析した結果から、「成長可能性都市ランキング」を作成した。

都市の産業創発力については「多様性を受け入れる風土」「創業・イノベーションを促す取り組み」「多様な産業が根付く基盤」「人材の充実・多様性」「都市の暮らしやすさ」「都市の魅力」という6つの視点から総合的に分析している。

結果として、実績および将来のポテンシャルを含めた総合的な産業創発力が高いのは、上から順に、東京23区、福岡市、京都市となった。

このランキングで野村総合研究所が提唱しているのは、地域をけん引する「ローカルハブ」を目指すことで地方創生を行うことだ。従来、地方は大都市に人材を供給し、財政支援を受ける「大都市依存型」をとってきた。しかし、日本の大部分の地域で人口は減少し、市場は縮小し続けている。大都市に依存するのではなく、地域で人材・企業を育成しながら世界へ商品を輸出して外貨を獲得する「ローカルハブ」の役割を果たす地方都市が増えることで、地域を活性化し、大都市から自立することができると野村総研は分析している。その「ローカルハブ」になりうる可能性を持つのが、ポテンシャルランキングで上位となった都市だ。

伸びしろがあり期待できるのは福岡市

ポテンシャルランキングでみた成長可能性の高い上位都市
10位 熊本県熊本市
9位 沖縄県那覇市
8位 宮崎県宮崎市
7位 北海道札幌市
6位 長野県松本市
5位 福岡県久留米市
4位 愛媛県松山市
3位 茨城県つくば市
2位 鹿児島県鹿児島市
1位 福岡県福岡市

現在の実績とポテンシャルの差分で見た“伸びしろ”が大きい、ポテンシャルランキングで1位となったのは、総合2位にもランクインした福岡市。空港、港湾、新幹線駅という陸海空のアクセスが整い、現在でも国際会議が多く行われるなどビジネス環境が整っているのが特徴だ。また、多様性に対する許容度が高く、企業家精神にあふれているという人間性も評価された。ビジネス環境が整っている反面、現在では独自の産業が少なく、今後の伸びしろが大きいことも、ポテンシャルランキングで1位になった理由に挙げられている。

ポテンシャルランキング2位にランクインしたのは鹿児島市。鹿児島市が評価されたのは、住民にとってのQOLが高い点だ。地域の共助精神・コミュニティの成熟という評価項目で100都市中1位、歴史・伝統とのふれあい、良好な都市環境という評価項目で第6位と高いスコアをたたき出した。また、移住者支援に力を入れていることもあり、移住・外部人材の受入実績が第2位となっている。しかし、経済基盤や人材の豊かさという面では平均以下となっており、企業誘致や起業支援など、産業を育成していくことが期待されている。

ポテンシャルランキング3位はつくば市。学園都市として発展してきた歴史を持ち、大学や研究機関が多く立地しているつくば市は、人材が豊富な都市として評価されている。外国人・移住者の知り合いがいる割合は第1位、外国人との出会い・ふれあいの経験、よそ者を受け入れる風土は第2位となっており、多様性に対する寛容度が高い都市でもある。その反面、飲食店や金融機関など、生活に欠かせない店舗が都市の規模に対して少なく、生活環境の改善が求められている。

大都市依存型の地方経済から、独立性を持つローカルハブへ成長するには、その都市にあった起業支援策や都市開発が必要となる。地方の強みや足りない点を分析した今回のランキングは、地方都市の成長戦略において大きな役割を果たしそうだ。(ZUU online編集部)

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