中国汽車(自動車)協会の発表した最新データによると、2017年上半期の全国自動車販売台数は1335万4000台で、前年同期比3,8%の増加だった。なお増加率は4.3%下げている。そのうち広義の乗用車は1082万台、前年同期比では0.2%下落だった。これは過去13年間で初めての下落である。ニュースサイト「今日頭条」が上半期のブランド別売上トップ10を紹介している。下半期の自動車市場はどうなっていくのだろうか。
【あわせて読みたい】
・100万円で79万円儲かる?「究極の」資産運用術とは
10位~6位 日産は6位
10位 福特(フォード) 38万1829台
最近フォードの注目度は高くない。一つは新型車の投入がないこと、二つめは、宣伝営業政策でも目立ったところがない。10位は定位置とも言えるが、維持するのは難しそうだ。
9位 哈弗(長城汽車集団) 39万4540台
哈弗(haval)は長城汽車集団のSUVブランドである。近年新型車の投入が相次いだ。しかし売上は小型SUVのH6型とH2型に集中している。この2車を倒せる車種は存在しない。
8位 宝駿(上汽五菱通用) 40万3872台
宝駿はGM系の上汽五菱通用のやはりSUVを中心としたブランドである。どちらかといえば人より貨物を運ぶ車のイメージ。
7位 吉利 41万905台
吉利は、今年最も勢いのあるメーカーだ。国産メーカー代表ブランドの地位を奪いかねない形勢である。商品力が営業成績に結びついてきた。
6位 日産 47万7498台
日産は 日系で最も販売台数の多いブランドだった。しかし本田と豊田にあっさり抜かれた。商品力では遜色ないが、国内販売戦略に問題がある。本田、豊田は多くの販売会社に出資している。ところが日産は、東風日産に任せきりなどの点が弱点だ。
5位~1位 1位は断トツ
5位 長安 53万2593台
長安は国産ブランドで最大の台数を販売し、ランキング5位に食い込んだ。これは評価できる。しかし3月~4月に売上の落ち込んだ時、値下げと優待サービスを連発して挽回した。これでは出血は止まっても、病が癒えたことにはならない。長安の課題である。
4位 別克(ビュイック) 55万2222台
ビュイックは中国臭を感じさせないブランドとして魅力を保っている。ブランド価値のさらなる掘り下げも、値引きの拡大も、どちらも熱心に行う。その結果が55万台という結果に表れている。
3位 豊田(トヨタ) 57万2433台
豊田の販売成績は可もなく不可もなしの平凡だった。とくに尖った新製品もなければ、目に引く営業活動も行わなかった。ブランドの力だけで上位2社に迫るつもりだろうか。
2位 本田(ホンダ) 65万730台
本田はここ2年、強力な新製品を投入している。XR-V、新シビック、新アコード、さらに新CR-Vが控えている。これらは市場で好評を博し、日産を打ち負かすことにつながった。日系メーカーの盟主になるとともに、中国市場での黄金時代を迎えるかも知れない。
1位 大衆(フォルクスワーゲン)144万7082台
“大衆”は、誰も疑う余地のない、圧倒的な1位である。2位に79万台も差をつけている。他のブランドが“大衆”に追いつくまで何年かかるのか想像もつかない。
日系3強は破竹の勢いを続けられるか
記事は上半期のランキングを見ると、市場には二つの新しい兆候がみられるという。一つめは自主品牌(国産ブランド)が、外資系からシェアを奪回していることだ。トップ10に4ブランド食い込んだ。二つめは、日系3強が「破竹の勢い」で6位以内の食い込んだことである。
そして下半期の自動車販売はさらに下振れするだろう。ただし強力なブランドが出現すればその限りではない。と結ばれている。本田では新CRVが、豊田では新カムリが登場する。この2車は、日本市場では想像できないほどの人気車だ。日系はこれを起爆剤に破竹の勢いを続けたい。
最近はネットニュースを見ても反日記事はほとんで見かけない。少し物足りないくらいだ。秋の党大会に備えて権力闘争に忙しく、誰もそれどころではないのである。この秋はシェアを拡大する絶好のチャンスだ。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)