2017年7月1日現在で、金融庁に登録されている生命保険会社は41社あります。それぞれの生命保険会社が日々、新たな保険商品の開発をしています。なぜかというと、医療の発展やライフスタイルの変化によって、求められる保険が変化しているからです。

病気に関する変化

(写真=Paraksa/Shutterstock.com)
(写真=Paraksa/Shutterstock.com)

厚生労働省が行った1996年の患者調査によると、入院した場合の平均在院日数は40.8日でしたが、2014年の同調査では31.9日と日数が減っています。

また、厚生労働省が発表している「平成27年簡易生命表」によると、日本人の平均寿命は、男性80.79歳、女性:87.05歳でしたが、1996年の同調査では男性:77.01歳、女性:83.59歳と延びています。

入院日数が短くなったので、通院や自宅療養に対する費用が必要となります。また平均寿命がのびたことにより、老後の生活費や介護に備える費用が必要になる可能性が高くなっています。

どんなリスクを保険でカバーするのか考える

「万が一」の損失を予測し、最小の費用で最大限の効果を上げるために対策を講じることをリスク・マネジメントといいます。リスク・マネジメントには、損失の発生頻度・規模を軽減するためのリスク・コントロールと、リスクの経済的損失を軽減するリスク・ファイナンシングがあります。

例えば、病気のリスクを軽減させるために、健康診断を受けたり、運動をしたりして予防することはリスク・コントロール、それでも病気になった場合に備えて、貯蓄をしておくことや保険に加入しておくことは、リスク・ファイナンシングであるといえます。

「貯蓄は三角、保険は四角」と言われており、貯蓄は「万が一」の際に自分が貯めた貯蓄しか使うことができません。しかし保険の場合は、たとえ1ヵ月しか保険料を支払っていなくても、契約で決められた保障額が保険会社からもらえます。

貯蓄が充分にできない20代や、抱えるリスクが多い世帯主は、貯蓄だけで全てのリスクを賄うことは難しいと考えられます。

そこで、保険でリスクをカバーすることが必要になってきます。人に関するリスク・ファイナンシングの一つである「生命保険」では、「死亡のリスク」、「長生きするリスク」、「病気・ケガに対するリスク」の三つのリスクに備えることができます。

ライフプランに合わせて組み替えできる保険の形にする

どの保険も「主契約=本体」と「特約=オプション」でできています。車に例えると、車体が主契約で、特約はカーナビやオーディオ機器などであり、本体をグレードアップさせるために機能を付け加えることができるのです。

「死亡のリスク」をカバーする死亡保障に、特約として入院や手術の医療保障を付けることも、「病気・ケガに対するリスク」をカバーする医療保険に特約として、死亡保障を付けることも可能です。

病気・ケガをカバーする医療保険の場合、主契約は入院一日当たりの費用のみですが、特約として手術、通院時の保障や、ガンになった場合の一時金、三大疾病になった場合の一時金の保障を追加することで、医療費がかかる病気になっても、しっかりカバーしてくれるので安心です。

保障額を増減したり、特約を途中で追加したりすることもできますが、その際は健康上の審査が必要になってきます。将来のライフプランを見据えて、組み替えできる形にしておくことが大切なので、『人生で最初に加入』する保険は大変重要になってきます。

保険でリスクに備える場合、「どんな保障が・いくら・いつまで」必要かを考える必要があります。

「死亡のリスク」は年齢に関わらず、一生涯必要な保障となります。必要な保障額は、その方の年齢、家族構成、年金の加入状況(厚生年金か、国民年金か)、住宅ローンの有無などによって変わるので、専門知識を持つプロに相談すると安心です。

加入する年齢が高くなると、月々の負担保険料も高くなる

厚生労働省が行った2014年の患者調査によると、65~69歳で入院する数は、35~39歳と比べて約4.6倍です。若いうちは、「万が一」という状況にピンとこない場合が多いと思いますが、年齢が若ければ若いほど、月々の保険料は安く抑えることができます。

家計に無理なく支払える予算内で保険に加入することができるため、早めの対策をとることが大切です。

(提供: 保険見直しonline

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