ヨルダンのメガソーラー事業を展開

三菱商事では前述の穀物関係以外にも様々な分野に置いて海外展開しています。一例として、ヨルダンではメガソーラー事業を展開しており、2014年6月、同社、カタールの発電事業者「ネブラスパワー社」、ヨルダンの開発事業者「カワルグループ」3社の共同開発により、メガソーラーの運営に参画する点を発表しました。

三菱商事と言うと火力発電及び原子力発電に偏っている企業と思われるかもしれませんが、実際の所、この様な再生可能エネルギーにも重点を置いている様です。同発電所の最大出力はヨルダン最大規模となる52.5メガワットを誇ります。経済成長に伴うヨルダンでは電力不足が深刻化していますが、2016年の発電開始後は発電した電力をヨルダン国営電力に売却する方針です。日本同様、ヨルダンでも再生可能エネルギーが見直されており、ヨルダン全体では6ギガワット弱の電力需要がありますが、2020年までに約1.6ギガワットを再生可能エネルギーに置き換える方針です。


三菱商事と他の三菱グループの企業との関係は?

三菱商事自身は業績を上げていますが、他の三菱グループ(三菱電機・三菱UFJ銀行等)は経営が厳しい点が上げられます。お互い株を持ち合っている関係上、一社でも業績が傾くと他のグループにも影響するため、常に援護射撃を行っている点が読み取れます。そんな中、全グループに共通しているのが国際化と積極投資であって、ある意味、保守的な三菱グループでは珍しい方針と言えるかもしれません。

今回の穀物事業とかメガソーラー事業もグループ企業に対する差し込みと言う要素が強く、例えば、発電量増加に伴い三菱電機の電気製品が売れやすくなる他、地域の経済を把握することにより、落ち目の分野も事業に参入しやすくなると言われます。お互い独立していてもグループ企業、財閥ですから、ある程度、こう言う考え方があっても可笑しくないでしょう(企業により大きく異なります)。また、これらのグループ内の株も自社株同様に購入している様です。グループ株を持ち合うのはデメリットもありますが、実際の所、買われる側の立場に立っても(他社に買われるのと比べ)安心するはずです。


有利な時も戦線拡大

「不利な時は戦線拡大」と言う言葉があります。不利な時は戦線を広げなければ死に至りますが、あまり戦線を広げすぎると第二次世界大戦時の某国の様になるのは目に見えています。一方、有利な時はこのまま安定経営を続ける人間が多い様ですが、将来に備え、資金に余裕がある時に少しずつ投資してゆく方が良いでしょう。

また、自社株を購入したのは株主に対する還元も考えられます。株価が上昇するため、株主が受け取る配当金が上昇して、その結果、株を持ち続ける傾向が生じるため、株が下がってしまいました時、売り注文が続出しない様にする狙いもあったと思われます。

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