昨日の海外時間には、東京時間にトランプ米大統領が、メキシコ国境での壁建設に絡んで政府閉鎖を辞さない姿勢を示したことや、NAFTAの交渉打ち切りに言及したことを受けて米長期金利が低下したことなどからドル売りが優勢となりました。
欧州時間序盤、発表された独/ユーロ圏・8月製造業/サービス業PMIが予想よりも強い結果だったことからユーロ買いが強まって、ユーロドルは1.1790台まで、ユーロ円は129.00円台まで上昇しました。その後東京時間にトランプ米大統領が「政府を閉鎖しなければならなくても、(メキシコ国境の)壁を建設する」「(NAFTAの再交渉)合意できるとは思わない。いずれかの段階で協定を打ち切る可能性がある」などと述べたことが蒸し返されたのか米長期金利が低下し各国株式が下落したことから円買いが優勢となって、ドル円は109.00円台まで、ユーロ円は128.60円台まで下落し、ユーロドルは1.1800台まで上昇幅を拡大しました。
NY時間にはいると、ユーロドルが一段高となる中ドル円は一時的に109円を割り込みましたが、109.10円を中心としたレンジ取引となりました。
NY時間午後にはいると、ハンソン・エストニア中銀総裁が「ユーロの上昇は今のところ大きな変化ではない」と述べたこともあってユーロが1.1820台まで上昇幅を拡大する中、ドル円は108.90円台まで下落しました。
東京時間朝方には米長期金利が低下し日経平均先物が下落したことから一時ドル円は108.80円台まで、ユーロ円は128.50円台まで下落しましたが、日経平均が寄付き直後から下落幅を縮小していることからやや円が売り戻され、ドル円は109円台を回復し、ユーロ円は129円手前まで反発しています。
今日の海外時間には英・第2四半期GDP(改定値)、米・新規失業保険申請件数、米・7月中古住宅販売件数の発表が予定されています。
今日から26日まで、米ワイオミング州ジャクソンホールでカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウムが開催されます。このシンポジウムにはイエレンFRB議長、ドラギECB総裁や、黒田日銀総裁など各国中銀総裁などが出席する予定、イエレン議長とドラギ総裁の講演に注目が集まっています。
昨日引け時点でのFF金利先物による年内のFOMC追加利上げ確率は約40%で昨日よりやや上昇、一回目の利上げの確率が50%を超えるのは2018年6月で変わらずとなっています。(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライム byGMOチーフストラテジスト。
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