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2012年12月「デフレからの脱却」と「富の拡大」など、日本経済の成長戦略を掲げた第二次安倍内閣が誕生しました。安倍政権のインフレ目標+2%を受け、日銀は2013年「量的・質的金融緩和」を実施し、2%のインフレ目標の早期達成を目指しました。この年、消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)の前年比での上昇率は0.4%でようやくデフレ状態を脱し始めたところでしたが、2014年6月の指数は103.4と前年同月比で3.3%と大きく上昇しました。消費増税の影響(日銀試算2%ポイント)を除くと1.4%の上昇となり、アベノミクスの目標とする2%のインフレ達成に向かっています。

日本においてインフレになるということは、日本円の貨幣価値が下がることを意味するため、外国為替市場では円安方向に働く一つの要因となります。実際に、安倍政権誕生以降円安が進み、2013年5月には対米ドル相場で4年ぶりに100円台を突破しました。仮にアベノミクスで2%のインフレが続けば、円安を伴う形で実質的に円の貨幣価値が下がる1つの要因となり得ます。目減りする資産を守るためには、外貨建ての資産を保有する分散投資が1つの手法として考えられます。そこで本日は、今注目を集める海外ETFを使った国際分散投資をご紹介したいと思います。

投資対象が豊富な海外ETFは米国ではメジャーな一方、日本国内での認知度は投資信託に比べると低いものがありました。しかし2000年以降は国内でも人気が高まり、各証券会社でも多くの銘柄が取り扱われています。


海外ETFのメリット

〇分散投資

ETFは取引所に上場され、株価指数や債券指数など特定の「インデックス」に連動するように目指す運用がおこなわれている投資信託です。例えばアメリカのダウ工業平均や、香港のハンセン指数に価格連動を目指す海外ETFを購入すれば、それらの全銘柄に投資するのと同様の効果を期待できます。また、取引所に上場されているため、株式と同じように売買されます。投資のリスクを抑えるためには様々な金融資産に分散投資をするのが有効ですが、自ら複数の個別銘柄を購入するには手間も資金も多く必要となります。海外ETFの場合は比較的少額の資金で投資することが可能です。
*為替相場の変動等により損失(為替差損)が生じるおそれがあります。

〇比較的低い保有コスト

ETFは、一般的に、投資信託に比べると信託報酬(保有時に負担するコスト)は相対的に低くなっています。ETFは、投資信託と違い、販売者側の事務費用を負担する必要がないことなどから信託報酬が安くなっています。100万円投資した場合、1%の違いで毎年1万円の差が生じます。これが長期的にETFを保有するメリットと言えます。

〇豊富なバリエーション

世界の取引所に上場する海外ETFの本数は2014年7月時点で5,000本以上になります。海外ETFは投資対象国や地域が充実しているほか、株式ETFにおいては、大型株、中型株、小型株などのサイズ別や、公益企業、医薬品、テクノロジー企業といったセクター(業種)別、高配当銘柄などの投資テーマを絞って投資するタイプなど多岐にわたっています。株式の他にも、債券や金などのコモディティ、REITなどの投資対象があり、そのバリエーションは非常に豊富です。


海外ETF選択のポイント

現在、国内大手のネット証券を中心に100銘柄以上の海外ETFの取引が可能です。選択肢が多いのは嬉しいことですが、この中でどの銘柄を選べばよいか迷ってしまうかもしれません。銘柄選びのヒントとして、海外ETFの投資対象、テーマ別での例をいくつか挙げてみます。

〇先進国に投資したい

アメリカなどの大きなマーケットを持つ海外の株式市場全体に投資したい場合は、以下の海外ETFがあります。

・iシェアーズ MSCI ACWI ETF(ティッカー:ACWI)
iシェアーズ MSCI ACWI ETFは、先進国、および、新興国の大型・中型株式で構成される指数 と同等の投資成果をあげることを目標としているETFです。

・iシェアーズ MSCI コクサイ ETF(ティッカー:TOK)
iシェアーズ MSCI コクサイ ETFは、海外の先進国市場の株式に幅広く分散投資するETFです。
日本を除く先進国市場の株式に投資をする際の代表的な指数である「MSCI KOKUSAI(コクサイ)インデックス」への連動を目指しています。

〇BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)に投資したい

・iシェアーズ BRIC 50 UCITS ETF(ティッカー:BRIC)
iシェアーズ BRIC 50 UCITS ETFは、ブラジル、ロシア、インドおよび中国の最大手企業数社の株式へのエクスポージャーを獲得できます。

〇新興国に投資したい

・iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF(ティッカー:EEM)
iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETFは、新興国市場の大型・中型株式で構成される指数と同等の投資成果をあげることを目指しています。

・iシェアーズ ラテンアメリカ 40 ETF(ティッカー:ILF)
iシェアーズ ラテンアメリカ 40 ETF は、ラテンアメリカ株式の主要40銘柄で構成される指数と同等の投資成果をあげることを目指しています。

・iシェアーズ MSCI 台湾 ETF(ティッカー:EWT)
iシェアーズ MSCI 台湾 ETFは、台湾の株式で構成される指数と同等の投資成果をあげることを目指しています。

・iシェアーズ MSCI 南アフリカ ETF(ティッカー:EZA)
iシェアーズ MSCI 南アフリカ ETFは、南アフリカの株式で構成される指数と同等の投資成果をあげることを目指しています。

〇商品(コモディティ)に連動する海外ETF

新興国の経済成長や人口増加を背景に、金や穀物など、コモディティ投資が注目を浴びています。 株式市場とは相関性の低い商品を、分散投資の一環としてポートフォリオに加えてみるのもいいかもしれません。

・iシェアーズ ゴールド トラスト(ティッカー:IAU)
iシェアーズ ゴールド トラストは金地金価格の日々の変動におおむね対応することを目標としています。


海外ETF購入時に注意すること

◯為替変動リスク
海外ETFを購入する上で、まず注意しなければならないのが為替リスクです。 為替相場の変動等により損失(為替差損)が生じるおそれがあります。

〇売買コスト
海外ETFは株式と同様に、売買手数料が購入時と売却時それぞれにかかります。また、海外ETFは外貨建ての取引になるため、為替手数料がかかります。ネット証券最大手のSBI証券の例では、売買手数料が税込27米ドル(1,000口まで)、為替手数料が1米ドル当たり0.25円(2012年12月3日時点)となっています。

〇流動性
海外ETFは株式と同様に銘柄によって売買高が異なります。流動性が低い銘柄は、売買が成立しない場合や、想定した値段で売買できない場合があります。銘柄選びの際は、流動性についてもしっかり調べておくようにしましょう。


世界シェアNo.1 ETF iシェアーズ

最後に、ブラックロックが運用するETFブランド“iシェアーズ”をご紹介します。iシェアーズはETFの運用残高で約40%のシェアを占めている、世界シェアNo.1のETFブランドです(2014年6月末時点)。人気を集めているポイントは、比較的少額から世界中の様々な資産クラスに投資が可能なこと、商品の種類が豊富なこと(投資目的や許容可能なリスクに応じた選択ができる)があげられます。新興国市場や不動産など、以前はアクセスが困難だった市場が、iシェアーズを活用することで投資可能になります。2014年7月末現在、105本のiシェアーズが日本の金融商品取引業者(証券会社)を通じて購入が可能です。

また、ブラックロックは2013年に7本のETFを東証に上場させました。東証に上場されたことで、iシェアーズETFが日本円で日本株式と同じように売買することが可能になり、海外株式市場への分散投資がより身近になりました。今後もETF市場の拡大が期待されていますが、これまで国内株式への投資経験しかなかった人でも、iシェアーズのETFをきっかけに、手軽に国際分散投資を行うことが可能になるでしょう。(編集:ZUU online編集部)

まずは一度、提供各社のラインナップを確認してみましょう。

1.SBI証券のETFラインナップ一覧

2.楽天証券のラインナップ一覧

3.マネックス証券のETFラインナップ一覧

iシェアーズ®は、ブラックロック・グループが運用を行うETF(上場投資信託)ブランドであり、ブラックロック・インクおよび米国その他の地域におけるその子会社の登録商標です。本資料はiシェアーズETFの理解を深めていただくための情報提供を目的とした もので、特定の金融商品取引の勧誘を目的とするものではありません。ETFへの投資による損益はすべて投資家の皆様に帰属します。投資をご検討される際は、取扱い金融商品取引業者にて交付される契約締結前書面等を十分にご確認の上、ご自身でご判断下さい。本資料は信頼できると判断した資料・データ等に基づき作成していますが、その正確性および完全性について保証するものではありません。また、将来の投資成果を保証・約束するものではなく、その内容は将来予告なく変更されることがあります。

■リスクについて
iシェアーズETFは、投資元本および投資元本からの収益の確保が保証されているものではありません。ETFの価格変動により投資者は損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。iシェアーズETFの価格は、連動を目標とする指数、組入有価証券の価格変動、金利および為替の変動、保有する商品現物の価格変動等ならびにiシェアーズETFの発行者及び組入有価証券の発行者の経営・財務状況の変化ならびにそれらに関する外部評価の変化等により変動します。

■手数料、費用等について
[ 売買時の手数料] iシェアーズETFを売買する際の手数料は取扱いの金融商品取引業者(証券会社)等によって定められます。詳しくは取扱会社までお問い合わせください。[保有時の費用] ETFの保有期間中は運用管理費用等を間接的にご負担いただきま す。保有時の費用の率(総経費率)は個別のETF毎によって異なり、また運用状況や保有期間等に応じて異なることからその上限額を示すことはできません。詳細は取扱い金融商品取引業者(証券会社)にてご確認下さい。またiシェアーズのウェブサイト (http://jp.ishares.com/)にてETFに関する情報を開示しております。

ブラックロック・ジャパン株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第375号
[加入協会]:一般社団法人 日本投資顧問業協会、一般社団法人 投資信託協会、日本証券業協会

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photo credit: Statue of Liberty - First Angle via flicker cc

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