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各社メディアでは紹介するエンターテイメントの中でも、今年の夏に大きな注目を集めたのが、大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)です。同テーマパークはイギリスの人気児童文学「ハリーポッター」とその映画をテーマとした新エリア開業のニュースで、夏休み前には連日各新聞社とも報道を行っていました。

運営会社である「ユー・エス・ジェイ(USJ)」は2009年に一度上場廃止していますが、2年後にも新たなアトラクションを追加することを明らかにしており、新たな資金調達の必要性から、2015年にも株式再上場を検討する意向を表明しています。今回はこうしたUSJの事業環境を考察するとともにテーマパーク市場の将来的な展望を分析します。


USJの上場廃止から再上場への動き

USJは2001年に大阪市の第三セクターとして開業以来、2007年に東証マザーズに上場を果たしました。その後、来場者の伸び悩みなどから経営が行き詰まりを見せ、ゴールドマンサックスなどによるTOBにより、2009年に上場廃止となりました。ゴールドマンサックスなどが出資する投資ファンドの管理下で再建を進めた同社は入場者数も持ち直し、2013年度の来場者数が1050万人と開業当初の1100万人に迫る勢いをみせています。

ゴールドマンサックスらによるファンド傘下では管理面での徹底したリストラを実施したことから、経営危機から復調の兆しをみせ、5年程度で1500万人の来場者数に達する見通しを示し早期の再上場を企図するに至っています。ハリーポッターの新エリアは新たな収益拡大の布石であり、今のところ好調な集客エンジンとして機能しています。2014年は過去最高の入場者数となることが予想されており、一時期の低迷期を乗り越え再上場への道筋が見えたといえるでしょう。