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不動産経済研究所(東京・新宿)が7月15日に発表したマンション市場動向調査によると、2014年上半期(1~6月)の首都圏の新築マンション販売戸数は前年同期比20.2%減の1万9394戸と、上半期としては3年ぶりに前年実績を下回りました。この実績を業界では、13年上期に価格や金利の先高観や消費税増税前の駆け込み購入から、販売が大幅に増えた反動が出たものとしています。また、最近の建築費上昇を販売価格に転嫁した場合に売れ残りがでるとして、開発業者が郊外物件を中心に供給を抑えたことも影響したものと見ているようです。

ここでもう少し詳しく2014年上期のマンション販売実績をチェックしてみましょう。いま注目すべきなのは、販売実績が3年ぶりに下回ったことよりも、供給が大幅に減少したことなのです。上期の減少戸数は4,905戸。都区部では2,071戸減の8,827戸となっています。では次に、販売価格を見てみましょう。戸当たり価格は5,010万円で、1㎡当たり単価は70.7万円。前年同月比では戸当たり価格274万円の5.8%、㎡単価で3.5%ものアップとなっています。

こうした数字を見ればお分かりのように、販売戸数が前年実績を下回ったとはいえ、マンション販売はおおむね好調。首都圏のマンション市場動向では6月の新築マンション契約率も76.6%と、好不調の目安とされる70%は超えています。

では、今後のマンション販売の見通しは如何なものなのか?2015年には消費税が10%に引き上げられる見通しであり、再び駆け込み需要が増加するといった見込みがあるなか、業界はどう打ってでるのか?気になるところですよね。

首都圏のマンション市場については、東京が2020年夏季オリンピック&パラリンピックの開催地に決定したという追い風もあり、周辺道路や都市開発が進む湾岸エリアの供給増と価格上昇が予想されます。また留意したいのは、人件費や建築資材などの上昇によって上がり続けてきた建築コストについて、それを回避するため、大手デベロッパーが上半期と同様にウェイティングをはかるといった動向もでてきているということ。

そのため、都心部よりも価格が安い台東区や墨田区といった城東エリアでの供給へとシフトする動きも活発化すると見られているようです。消費増税とそれを補う住宅減税がらみ動き、需共のバランスや価格上昇、資材価格の変動などをみてマンション業界がどう動くのか、今後も目を離せそうもありませんね。

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photo credit: OiMax via photopin cc