Appleが13日(日本時間)、iPhone 8とiPhone X(テン)を発表した。何と言っても話題を集めそうなのがiPhone Xである。事前に情報リークされるのは毎回の事だが、「ベゼル無し、ホームボタン無し、顔認証搭載、1000ドル超えの価格設定」など、今回のリークされた情報はかなり精度が高く、実際の驚きはあまりなかったという印象だ。ともあれiPhone Xは初代iPhoneが発売されて10年目の記念モデルとも言え、ホームボタンを廃止するという思い切った方向転換をしたことからも、ある意味「コンセプトモデル」とも言える。

ディスプレイは5.8インチのOLED(有機EL)を搭載し、ベゼルレスのデザインでiPhone 8 Plus(5.5インチ)よりも外形寸法はわずかに小さい。ホームボタンが廃止された関係で指紋認証機能がなくなり、その代わりに顔認証システム(Face ID)が搭載された。3D化して顔を認識するため、写真でアンロックできたりすることはできないと説明されている。その顔認証用のカメラが、ディスプレイ上部に配置されている。このため、ホームボタンがなくなった事も併せて、既存のiPhoneとは思えないほどのデザイン変更がされている。

iphoneX
(画像=Webサイトより)

「携帯電話がこれ以上の価格になれば……」という価格面からの心理的障害は、アメリカ本国では「1000ドル」というわかりやすいラインが引かれていた。日本では「10万越え」というラインに置き換えられるが、iPhone Xは安いほうのモデルでもそれを軽々と超えており、もはやiPad Proの上位モデルに匹敵する。携帯電話にそれだけのお金を掛けられるユーザがどれだけいるのか、という事も毎回言われている。

反面、性能的には「驚くべきブレイクスルー」は一つもなく、Appleの株価も発表後には下落しており、もっとも下げた時で1.7%も下落している。大きな技術革新がなかなか見られないことはユーザも市場も納得しているところだが、ユーザの要望の常に上位に来る「バッテリ駆動時間の延長」も含めて、ユーザに対し最新技術ではない使い勝手の良さを提供してくれる事を期待したい。

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多くのモデルで10万円を超える価格設定

今回発表されたモデルを整理しておくと3種類である。4.7インチモデルのiPhone 8、5.5インチモデルのiPhone 8 Plus、そして5.8インチモデルのiPhone Xとなり、すべてのモデルで64GBと256GBの容量となる。

iPhone 8とPlusのカラーはシルバー、ゴールド、スペースグレイの3色、iPhone Xではシルバーとスペースグレイの2色が用意される。価格は日本においてはiPhone 8が7万8,800円(64GB)と9万5,800円(256GB)、iPhone 8 Plusが8万9,800円(64GB)と10万6,800円(256GB)、iPhone Xが11万2,800円(64GB)と12万9,800円(256GB)となる(価格はすべて税別)。

外見的な特徴としては、すべてのモデルで正面と背面に強化ガラスが用いられており、iPhone Xではフレーム部分がアルミからステンレスに変更されている。iPhone 8のデザインは7と大差ないものの、iPhone Xでは大きくデザインが変更され、iPhoneの象徴とも言えたホームボタンがついに消滅し、その機能がディスプレイパネルに統合された。

性能的には全機種で6コアのA11 Bionicを搭載しており、従来比最大70%(性能コアでは最大25%)高速化された、としている。また全機種でQi規格のワイヤレス充電に対応している。発売日は、iPhone Xのみ予約開始が10月27日、発売日が11月3日、その他のモデルは9月15日予約開始、9月22日発売となる。

大きな変更点がないように見えるiPhone 8 差別化が難しいように見えるiPhone 8 Plus