2016年12月に中小企業庁が策定した事業承継ガイドラインによれば、中小企業の割合は国内の企業数の約 99%(小規模事業者は約 85%)、 従業員数の約 70%(小規模事業者は約 24%)です。全国的に名が知られている大企業とは比べものにならないほどの数値であり、中小企業が日本の経済や社会において非常に重要な存在であることを物語っています。現在、中小企業の経営者は全体的に高齢化が進んでおり、円滑な事業承継を考えていくべき過渡期を迎えています。今回は、中小企業の事業承継についてご説明していきます。

事業承継とその重要性

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(写真=turgaygundogdu/Shutterstock.com)

中小企業では、企業の草創期から長期に渡って経営のトップとして企業の維持・発展に尽力している経営者が見受けられます。また、自社に対して愛着のある経営者ほど、まだまだ自分が現役のため、後継者のことを考えるのを後回しにしてしまうようです。しかし、企業の存続や今後の発展を望むならば、事業をいつ誰に承継するのかを考えるのは必要不可欠であり、なるべく早い段階で取り組んでおく必要性があります。

なぜなら、事業承継を円滑に行うことで世代交代が進み、企業経営に新たな考えを呼び起こす材料にもなる可能性があるからです。事業の維持・活性化のためにも、後継者選びや承継が重要だという意識を持ちましょう。

社内や身内で後継者を育成する

中小企業の後継者は、大企業と比較すると経営者の子どもや親族であるケースが多いようです。それ以外には社内のことをよく知っている従業員が後継者である場合もあります。しかし、長期に渡り事業のことをよく知っている親族や従業員であっても、経営そのものについては不慣れな場合もあります。そこで、まずは自社経営や、自社を取り巻く状況を知り、いつ、何を、どのように承継していくかを具体的に考える必要があります。

例えば、10年かけて後継者に引継をすると考えるなら、10年間の事業承継計画を作るのです。後継者はノウハウや技術・資産・取引先関係など実に多岐に渡る引継が必要です。そのため早期から事業承継に取り組みをすることは企業の存続のためにも重要なことの一つだと言えるのです。

後継者を育成するために早期から事業承継計画を練るのは非常に有効です。事業承継計画書を策定することだけが意義ではありません。策定するにあたり、現経営者がこれまでの経営について振り返り、その企業の経営における想いや信念などを再確認するプロセスがとても大切なのです。事業承継計画を作りながら、現経営者が企業に対する想いを今一度確認し、その思いを後継者や従業員に理解してもらうことが、次世代でも変わらない経営理念の承継にも繋がります。

外部から後継者を招き入れる場合

中小企業庁が2016年11月に出した「事業承継に関する現状と課題について」の調査によれば、親族内承継の割合が急減しており、子供を中心とした事業承継が困難になってきています。しかし、廃業せずに事業を継続していくには承継者が不可欠です。そこで、外部から後継者を招き入れる企業もあるのです。

外部への事業承継では、身辺に後継者として適任者がいない場合でも、経営者としての素質やノウハウを持った有能な人材を外で探すことができるのがメリットです。また、会社売却によって大きな収入を得ることも可能になるでしょう。しかし、現在の経営者の希望に沿った内容で後継者を探すのは個人の力だけでは難しいため、公的機関である事業引継ぎ支援センターを利用するなど、検討してみましょう。

コンサルタントなどのプロに相談するのも一つの手

中小企業において経営者の発言力は大きな力を持っています。そのため、ついつい周りの人間が経営者に従ってしまい、新しい考え方がでてこないかもしれません。そんな時は、事業承継のノウハウを持ったコンサルタントなどのプロに相談してみると良いかもしれません。第三者の視点で企業の状況を分析してもらい、何が必要なのか、何を変えていくべきなのかを知ることは、今後の事業の発展に好影響をもたらすことでしょう。(提供: ビジネスサポーターズオンライン

※当記事は2017年7月現在の情報に基づき制作しております。最新の情報は各関連ホームページなどをご参照下さい。

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