1960年代後半から70年代前半にかけて、空前のボウリングブームがあったことをご存知だろうか。その後もブーム再燃の兆しは何度か見られたが、いま若い世代を中心にボウリングへの注目が高まりつつある。一方、株式市場ではボウリングやゲーム、カラオケといったアミューズメント施設を展開するラウンドワン <4680> が人気化している。同社の株価が9年ぶりの高値を付けているのは、新たなボウリングブームの到来を示唆しているのだろうか。

50年前の「ボウリング狂想曲」

1960年代、半世紀前のボウリングブームは文字通り「日本列島を席巻した」といっても過言ではなかった。米国発のお洒落で手軽なスポーツとして人気化、ボウリングシャツやボウリングシューズは当時流行ったセブンティーズ・ファッションの必須アイテムになった。

テレビのゴールデンタイムでは「ボウリング中継」が人気で、数々のスタープレーヤーが誕生した。誰もがボウリングを楽しみ、1972年には国内で3697カ所のボウリング場が存在したのである(※日本ボウリング協会調べ)。3697カ所というと1都道府県あたり約80カ所となる計算だ。当時はほとんどの繁華街にボウリング場が見られ、プレイするのに1〜2時間待ちは当たり前だった。

そんなボウリングブームも、1973年に世界を襲ったオイルショックによる景気後退で収束に向かうのである。

若い世代を中心にボウリングが人気化?

ところで、総務省の2016年の社会生活基本調査によると、ボウリングの行動者率(1年間にボウリングをやったことがある人の比率)は13.3%となっている。意外かもしれないがジョギング・マラソンの12.0%、登山・ハイキングの11.1%を上回っているのだ。

特に注目されるのは、若い人の「行動者率」が高いことだ。具体的に見ると15〜19歳が32.9%、20〜24歳42.2%、25〜29歳33.1%、30〜34歳20.9%、35〜39歳22.2%、40〜44歳10.5%、45〜49歳10.0%である。ボウリングといえば「昔とった杵柄」でシニア世代に人気なのかと思いきや、むしろ若い層を中心に支持を得ているのだ。