実際の収入と支出はどうなのか

実際の収入と支出について、地元に根付きながら全国にファンを持つ広島カープを例に見てみよう。

カープの売上高は、旧広島市民球場時代の2008年に71億円だった。翌2009年に球場がマツダスタジタムへと変わり家族連れや女性客が増え117億円へ大幅増となった。2014年には「カープ女子」が流行語大賞トップ10に入り、2015年度は148億円、2016年度は182億円と着実に売上を伸ばしている。

入場料収入に関連する観客動員数について、2008年は139万人であった。マツダスタジアムの初年度2009年は187万人と新スタジアムが売上増に大きく貢献したのが分かる。2010年から2013年まで観客動員数が若干低下するものの、カープ女子が流行った2014年には190万人、2015年には211万人、2016年は237万人となった。最近では、本拠地のマツダスタジアムは連日チケットが完売状態だという。入場料収入は、2016年が約58億3000万円となり前年度比4億2000万円増であった。

カープのテレビなどの放映権料は2004年に30億円ほどであった。その頃からプロ野球中継のテレビの視聴率が低下してきており、最近の放映権料はその半分以下であると言われている。

グッズ収入は、2016年に過去最高の53億円(前年比17億3000万円増)となった。これは球団の全売上の3割近くを占める。2004年のグッズ収入が3億5000万であったことから、12年で売上げが10倍以上になったのだ。限定TシャツやG-SHOCKとのコラボ商品など人気商品が多く、毎年のように新商品を追加しファンの購買欲を刺激している。

支出において代表的なものは選手の年棒であろう。カープの選手年棒総額は、売上高の20%以下のようである。2015年と2016年の年棒総額は約25億円と言われている。

球団経営を成功させるには?

カープの売上が上昇し続けているのは、マツダスタジアムへの変更、カープ女子現象、選手の補強、そしてリーグ優勝と続いてきた結果であろう。スタジアムの変更とカープ女子現象によって売上が増え、2015年の黒田博樹投手のメジャーリーグからの復帰も売上を押し上げた。そして2015年のオフにドジャースへ移籍した前田健太投手のトレードによりカープは20億円を得て、そのお金で選手を補強しリーグ優勝へとつながった。リーグ優勝が更に売上げを上昇させ、良い連鎖を生み出しているのだ。

広島カープや福岡ソフトバンクホークスなどは経営が順調であるが、多くのプロ野球チームは必ずしも経営が上手くいっているとは言えない。他の球団の経営が上向けば、日本のプロ野球全体が活性化され、さらなる野球の盛り上がりが期待されるのではないだろうか。(ZUU online編集部)