前週(9/25~9/29)の東京為替市場は円が3週続落、東京インターバンク間の金曜17時のドル円レートは112円46銭と、前々週比44銭の円安となった。

足元の米経済指標で予想を上回るものが多く、米景況感は完全に持ち直している。トランプ大統領が示した法人減税も採決されれば米景気を下支えするだろう。

イエレン議長の発言は年内利上げを示唆し始めており、FFレート先物による12月のFOMCでの利上げの確率はすでに市場は8割程度織り込みはじめた。日米金利差拡大の思惑から円安の流れが続く。

機関投資家は、地政学リスクによる極端なリスクオフからリスクオンに転じつつあり、有事のドル売り、債券買いのポジションの巻き戻しが継続している。

米税制改革でリパトリ減税案も提示された。グローバル企業が海外に保有する利益を国内に還流するならばドル高要因となる。

ドル円は115円と108円の大きなボックス圏の中で推移しており、一旦レンジの上限の115円に向かう展開だと見ている。

前週(9/25~9/29)の振り返り

為替展望
(写真=PIXTA)

25日の東京為替市場で円は反落、東京インターバンクの17時のレートは112円25銭と23銭の円安だった。

24日投開票のドイツ総選挙でメルケル首相の与党キリスト教民主同盟の勝利が東京時間早朝に報じられた。イベント無事に通過したことでユーロが買われ円安が進んだ。日経平均が前週末比101円高で年初来高値を更新したこともリスクオンの円安も要因だった。

26日の東京市場で円は反騰、17時のレートは111円77銭と前日比48銭の円高だった。

北朝鮮の李容浩外相がトランプ大統領の国連演説は北朝鮮に宣戦布告を行ったものだと名指して批判したため緊張感が走り、一時111円50銭までの円高が進んだ。

もっとも、ニューヨーク連銀のダドリー総裁が利上げに対して前向きな発言をしており、ドルの押し目買い意欲も強かった。

27日の東京市場で円は反落、17時のレートは112円69銭と前日比92銭の円安だった。

イエレン議長が講演で「緩やかすぎる政策調整にも慎重になるべきだ」と語った。利上げ継続を見込むドル買い円売りが進み、円は一時112円82銭まで下落した。

28日の東京市場で円は続落、前日比14銭円安の112円83銭で引けた。

米トランプ政権が法人減税とリパトリ減税を発表、米株式相場が上昇し、ドルが買われた。米長期債利回りが2.34%台まで上昇基調が続いており、円安は米債安とリンクしている。ドル円は一時
113円21銭まで買われた。

29日の東京為替市場で円は反騰、17時には112円46銭と前日比37銭の円高だった。

ユーロドルが安値を下抜き、一時1.1773ドルまで下げたため、クロスレートで円高となった。