世界第2位のクレジットカード

マスターカードは1966年にアメリカで設立され、現在はVISAに続く世界第2位の会員数シェアを誇るクレジットカードとなっており世界中に加盟店が存在しています。マスターカードは特にヨーロッパに強いと言われていますが、それは設立2年後の1968年にヨーロッパに強いと言われていたユーロカードと提携したからであると考えられます。現在、世界中の大抵のお店ではVISAとMASTERを両方使うことができますが、日本でJCBが有名なようにヨーロッパやオーストラリアなどユーロカードの影響が色濃く残る地域ではマスターカードしか使えないお店も存在しています。


マスターカードの経営戦略

マスターカードは世界210カ国以上で提供されており、独自の支払いプロセスによって一般ユーザーだけでなく世界各国の金融機関や企業との提携を実現しています。最近では2010年に研究開発機関MasterCard Labs(マスターカードラボ)を設立し、多様化する決済ニーズに対して、ペイメントソリューションの研究を行っています。また、モバイル決済ソリューションを提供する「C-SAM」を買収するなど海外M&Aも積極的に行っており、着実にシェアを伸ばし続けています。またマスターカードは企業情報に関しても随時ツイッターやブログでの情報発信に努めており、オープンな社風と言えるでしょう。

また、最近では東南アジアの市場開拓に乗り出しています。決済端末を地域の小売店に対して無料で配布しクレジットカード端末の利用促進を図っています。東南アジアではこれまでクレジットカードよりも銀行残高の中から引き落とすデビットカードが主流となっていました。新興国に対してクレジットカードを浸透させることは、銀行口座残高以上の買い物ができるようになるわけですから、未回収金が発生するリスクも伴います。東南アジアにはマスターカード以外にもJCBやVISAといったクレジットカード会社が参入を進めていますから、サービスの浸透だけでなく利用者のリテラシー教育にも力を入れていく必要があるでしょう。