前週(10/2~10/6)の東京為替市場は円が4週続落、東京インターバンク間の金曜17時のドル円レートは113円01銭と、前々週比55銭の円安となった。
世界的な景気回復は鮮明、米国の利上げペースもFRBの想定通りとなってきており、日米金利差拡大の思惑からドル高・円安トレンドになっている。FFレート先物ではすでに市場は12月のFOMCでの利上げを9割程度織り込んだ。さらに、18年3月の利上げ予想も3割程度織り込み始めている。
米経済指標でISM非製造業景況感指数など予想を上回るものが相次いでいる。CITIバンクが出しているエコノミックサプライズ指数(経済指標がコンセンサスを上回った比率)がプラスに転じてきており、米国の経済指標ではPCEデフレーターなどインフレ統計以外は極めて好調だ。法人減税やレパトリ減税を含む18年の会計予算が下院を通過したことも景気を押し上げる可能性が高い。
イエレンFRB議長は18年2月に任期を迎える。話題の中心は後任人事だ。ウォーシュ元FRB理事、パウエル現FRB理事、コーン国家経済会議委員長などが有力と言われている。イエレン再任の可能性もないわけでない。有力候補の誰が選ばれても金利正常化の利上げには前向きだとうと見られている。
前週末6日に米国為替市場では雇用統計後、ドル円は一時113円44銭と3カ月ぶりの円安水準をつけたが、その後北朝鮮が米西海岸に届くミサイルの発射実験を準備しているとの報道から有事の円高が再燃、NY為替市場は112円70銭で取引を終えた。東京市場の引け値からは31銭程度の円高だったが、比較的冷静な動きだった。
今週も地政学リスクが落ち着くなら円安トレンドが続く可能性が高そうだ。ドル円は115円と108円の大きなボックス圏の中で推移しており、一旦レンジの上限の115円に向かう展開と見ている。
前週(10/2~10/6)の振り返り
2日の東京為替市場で円は反落、東京インターバンクレートの17時時点では112円99銭と全前週末比で53銭の円安となった。
週末に行われたスペインのカタルーニャ州の住民投票で独立賛成が9割を占め、ユーロが売られドル高となり、クロスレートで円も売られた。寄り前に日銀が発表した9月の短観でDIが22と6月調査から5ポイント改善して日本株が44円高の2万0400円で引け、9月25日以来の年初来高値を更新となったことも円安要因だった。
3日の東京為替市場で円は続落、東京17時のレートは前日比11銭の円安の113円10銭だった。東京引け値ベースでの113円台は17年7月14日以来約3ヶ月ぶり。
米9月のISM製造業景況感指数が予想を上回り、NY市場でドル高・円安が進行した。NYダウは152ドル高と3桁の上昇で4日連続の過去最高値更新となり日経平均も213円高の2万0614円と年初来高値を更新したこともあって円安が進んだ。
4日の東京為替市場で円は反騰、前日比57銭の円高となり112円53銭で引けた。
7日に雇用統計を控え、スペインの住民投票で売られていたユーロに買い戻しが入ったため、クロス円にも利益確定の買い戻しが入った。ドル円と連動性の高い米長期債利回りは2.31%に低下したまま、ほぼ横ばいの推移。
5日の東京為替市場で円は反落、前日比17銭円安の112円70銭で引けた。
日経平均が1円高と方向感の乏しい値動きとなり、積極的な円売りは仕掛けづらい状況だった。一方で、米長期債利回りが2.32%で推移しており、ドル売りも進めにくい状況だった。
6日の東京為替市場で円は続落、前日比31銭円安の113円01銭で引けた。
NYダウが113ドル高と3桁の上げで7日連続の過去最高値更新。米下院で法人減税やレパトリ減税などを含む18年度の予算案を可決したことが背景。東京為替市場でも一時113円06銭と再び113円台の円安となった。