先週の海外動向を振り返る

注目の米9月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比で3万3千人減だったが、ハリケーンによる一時的な影響との見方が強く材料視はされなかった。むしろ、失業率は0.2ポイント改善の4.2%と16年ぶりの水準まで低下、賃金上昇率が2.9%に改善していたことから、米利上げペースが加速するとの見方が広まった。米長期債利回りは一時2.40%と5カ月ぶりの高水準まで上昇した。日米金利差拡大の思惑から、ドル円は一時113円44銭と3カ月ぶりの円安水準をつけた。

もっとも、北朝鮮が米西海岸に届くミサイルの発射実験を準備しているとの報道から有事の円高が再燃、NY為替市場は112円70銭で取引を終えた。東京市場の引け値からは31銭程度の円高。

「10/10〜10/13」の為替展望

今週のドル円のメインシナリオは、111円81銭から114円50銭でのレンジを想定している。 IMFが10日に発表する世界経済見通しの改定で17年世界の成長率が今までの3.5%から上方修正されるとの報道があった。IMFの経済見通しは機関投資家の経済予想のベースとなる。

日本では、4日発表の日銀短観で大企業製造業のDIが22と6月調査から5ポイント改善した。4四半期連続の上昇で、10年ぶりの高水準となり、リーマンショック後最高となっている。世界的に景況感に陰りはない。

FFレート先物ではすでに市場は12月のFOMCでの米利上げを9割程度織り込んだ。さらに、18年3月の利上げ予想も3割程度織り込み始めている。日米金利差拡大を背景とした円安トレンドは続きそうだ。

5日の米下院で法人減税やレパトリ減税などを含む18年度の予算案を可決した。法人減税は米景気を押し上げる。リパトリ減税でグローバル企業が海外に保有する利益を国内に還流するならばドル高要因となる。

テクニカル的では、20日移動平均線の111円81銭がサポート、レジスタンスは7月11日高値の114円51銭だ。114円51銭をブレークした場合は、17年3月10日の高値115円50銭がターゲットになる。

今週のイベントは、日本では9日が体育の日で祝日、10日に衆院選公示、日銀支店長会議があり黒田総裁が登壇する。海外では、10日にIMFが世界経済見直し、10日に北朝鮮の朝鮮労働党創建記念日、11日に中国共産党7中全会開催、NAFTA再交渉第4回会合(〜15日)、米9月のFOMCの議事録、12日にG20財務相・中央銀総裁会議(〜13日)、13日IMF年次総会(〜15日)などが注目。

経済指標では、日本は10日に8月の国際収支、9月の景気ウォッチャー調査、11日に8月の機械受注12日に9月都心オフィス空室率などがある。海外は13日の米9月消費者物価、9月小売売上、10月ミシガン大学消費者マインド指数などが注目されるが重要な指標は少ない。(ZUU online編集部)

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