先週の日経平均は週間で334円43銭(1.6%)高の2万0690円71銭で引けた。4週連続高となる。
堅調な世界景気と緩やかな金利上昇を背景にリスクオンによる株高が進行している。NY株やドイツ株が史上最高値するなか、日経平均にも買いが拡がり今年初の5日続伸。6日には一時2万0721円をつけ15年8月以来の高値更新となった。
東京為替市場でドル円は週を通じて円安傾向で安定しており、9月決算の業績上振れ期待の買いが膨らんだ。外国人が9月最終週に日本株の現物を8週間ぶりに買い越しに転じた。国内機関投資家は地銀などの売りがピークアウトしてきており、売り圧力が確実に減ってきている。
IMFが10日に見直しを発表する予定の世界経済見通しで、17年の世界の成長率が3.5%から上方修正されるとの報道があった。機関投資家の経済予想のベースとなっている重要指標だ。日本では、4日発表の日銀短観で大企業製造業のDIが22と6月調査から5ポイント改善した。4四半期連続の上昇で10年ぶりの高水準となり、リーマンショック後最高。世界的に景況感に陰りはない。
時事通信によると東証1部上場企業の18年3月期の連結経常利益は前期比6.8%増と過去最高を更新する見通しだ。トヨタは4-6月の決算を受けて8月に通期経常利益予想を1.80兆円から2.05兆円に引き上げたが、足もとの株価上昇は円安による再上方修正への期待の高まりだろう。
北朝鮮半島の地政学リスクが残るものの、今週も日本企業の業績上方修正期待と世界的に見た日本株の出遅れ感から堅調なマーケットが期待出来そうだ。9月に株高だった年は年末高だというアノマリーがある。日経平均は、年末にかけて、ITバブル崩壊後高値更新かつアベノミクス後最高値更新する展開が予想される。
前週(10/2~10/6)を振り返り
2日の日経平均株価は反発、前々週末に比べ44円50銭(0.2%)高の2万0400円78銭で引け、9月25日以来の年初来高値を更新となった。
米株が過去最高値を更新、ドル円は全前週末の112円49銭から東京為替市場では一時113円06銭をつけたことを好感した買いが入った。週末に行われたスペインのカタルーニャ州の住民投票で独立賛成が9割を占め、ユーロが売られドル高となりクロス円が売られた。日銀短観でDIが改善したことも買い手掛かりだった。
3日の日経平均は続伸し、引け値は前日比213円29銭(1.1%)高の2万0614円07銭だった。
連日の年初来高値更新、15年8月17日以来2年1カ月ぶりの高値。米9月ISM製造業景況感指数が予想を上回ったことを好感し、NYダウが152ドル高と3桁の上昇で4日連続の過去最高値更新だった。ドル円は東京為替市場で一時113円19銭まで下落しており、リスクオンの買いを集めた。
4日の日経平均は小幅ながら3日続伸、前日比12円59銭(0.1%)高の2万0626円66銭で引けた。3日連続の年初来高値更新だった。
ドル円が一時112円42銭まで円高となったため、一時前日比マイナスに下げたが、引けにかけて持ち直した。7日に雇用統計を控え、スペインの住民投票で売られていたユーロに買い戻しが入ったためクロス円で利益確定の買い戻しが入った。
5日の東京株式市場で日経平均は小幅ながらも4日続伸し、前日比1円90銭(0.0%)高の1万0628円56銭で引けた。
4日連続で年初来高値を更新、15年8月11日以来2年2カ月ぶりの高値。ドル円は112円台後半で膠着。高値警戒感も出て来ているが押し目買い意欲も強く下げ渋った。東証1部の売買代金は1兆9940億円となり、活況と言われる2兆円を割り市場エネルギーはやや低下してきている。個人投資家が主戦場とする新興市場株の利益確定売りが広がっており、ジャスダック平均は2日続落、マザーズ指数は3日続落となった。
6日の日経平均は5日続騰、前日比62円15銭(0.3%)高の2万0690円71銭と5日連続で年初来高値を更新した。5連騰は今年初。
5日のNYダウが113ドル高と3桁の上げで7日連続の過去最高値更新。米下院で法人減税やレパトリ減税などを含む18年度の予算案を可決したことが背景。東京為替市場でも一時113円06銭と再び113円台の円安となった。米雇用統計と連休を控えており通常なら株式市場にはポジション調整の売りが出るところだが下げない。東証1部の売買代金は2兆2743億円と2兆円を回復、新興市場はジャスダック、マザーズともに反発した。