日本は連帯保証人制度の存在のせいか、借金に対してマイナスのイメージを持つ人が多いようです。しかし世の中には、「良い借金」もあります。「悪い借金」との違いと、「良い借金」がもたらす効果についてお伝えします。
事業では借り入れするのが当たり前
良い借金とは、「利益を生み出す」借金です。「経営活動のために受ける融資」とも言い換えられます。営業に必要な設備を整えたり、商品を買い付けたりするためには手元資金が必要となります。特に不動産投資、つまり個人が行う不動産賃貸業のように、少ない自己資金にもかかわらず数千万・数億円単位の設備投資が必要な事業は、ほとんどの場合において借金が必要です。完済すれば、不動産という資産が残ります。その返済には事業の売り上げである賃貸収入を充てるので、賃貸がうまく回りさえすれば、投資家にデメリットはありません。
悪い借金とは、「消費のため」の借金です。例えば暴飲暴食を金利の高いクレジットカードのリボ払いですることなど、生活に必要ではないばかりでなく、収益を生まないにもかかわらず金利がかかる、不要な借金です。
一般的に、企業の自己資本比率は30%もあれば優秀だといいます。逆をいえば、借金とツケ払いの合計が、資産の7割ほどあっても全く問題ないということです。資産とは、将来的に収益を生むものをいいます。個人の賃貸事業は前述のように借金あってのビジネスモデルなので、当初はフルローン(購入費用を全額融資でまかなう)でも十分事業が回ることが多いものです。むしろ借りられることに感謝する必要があります。
金利と収入のバランス次第では悪い借金となることも
お金が入ってくれば全て「良い借金」なのかというと、必ずしもそうではありません。毎月の返済額が収入を上回っているようであれば、利益を生まない「悪い借金」です。返済のほかにも委託管理料や修繕費などがかかりますので、賃料からこれらを差し引いたうえで最終的にいくら手元に残るのかを考慮しなければなりません。
特に収入と金利の関係は重要です。不動産投資では収益性をみる目安として「イールドギャップ」という指標が使われます。表面利回りと借入金金利の差を表します。例えば、購入価格3,000万円で年間家賃収入が300万円、ローン金利が年率4%だとすると、イールドギャップは10%(投資利回り(300万÷3,000万))?4%(ローン金利)=6%となります。
イールドギャップがマイナスになってしまうと、元本どころか金利すら払えなくなるので、投資としては失敗です。
借金を減らすと同時に資産を増やす不動産投資
不動産投資が資産形成に役立つということは、「良い借金」だからという観点で説明できます。まず、毎月の家賃収入から必要経費とローンの返済分を差し引いた手残りです。使うもよし、次の物件購入のための資金にするもよし、リフォームに向けて積み立てるもよし。そして、元本を返済していくということは、完済して抵当権を外すこと、つまり資産である収益不動産を完全に自分のものにしていくことへのステップでもあります。
不動産投資では、「元本返済=自己所有不動産の増加」と「手残り=現金収入」という2本立てで資産を築いていけるのです。
「良い借金」をすると資産を増やすことができる
「良い借金」とは利益を生むもので、「悪い借金」とはそもそも利益を生む目的ではなかったり、収益目的でも損をしてしまったりするなど、客観的なメリットが何も残らないものです。
不動産投資では、「良い借金」をすることで、現物不動産と現金収入という2つの方法で資産を蓄えることができます。「借金=悪いもの」として考えるのではなく、資産運用のための選択肢として正しく理解しましょう。
(提供: Incomepress )
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