日経平均株価は11月9日、2万3000円台を26年ぶりに回復した。高値水準で沸騰する日経平均株価を支える1つの要因が、上場企業の好調な中間決算だ。大手商社もこのトレンドに乗り、その中でも住友商事 <8053> は2018年3月期第2四半期連結決算で、純利益が前年同期比2.3倍の1552億9500万円まで拡大。

大手商社の中で、最も高い伸び率を上げた住友商事の業績をけん引してものは何か。

お荷物の資源部門が黒字転換

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(写真=PIXTA)

住友商事の中間決算をセグメント別にみると、最大の利益をもたらしたのはメディア・生活関連の451億円だった。特に不動産事業が好調に推移したことが利益拡大に寄与したという。また、リース事業が好調だった輸送機・建機部門も352億円の利益を計上し、中間決算全体の純利益を押し上げた。同社は、こうした非資源部門の利益が全体に占める割合が高く、1196億円に上る。

一方、資源ビジネスは16年度の中間決算では33億円の損失となったが、17年度は282億円の利益をもたらした。南米ボリビアでの銀、亜鉛・鉛事業のほか、オーストラリアでの石炭事業も増益となったことが主な要因で、その背景には資源価格の上昇がある。

住友商事の決算資料によると、亜鉛価格は16年度中間期が2085ドル/トンだったが、17年度中間期は2779ドル/トンと3割以上の上昇。また、石炭も88ドル/トンから182ドル/トンと、価格が約2倍となるなど、赤字だった資源ビジネスに利益をもたらすほどの値上がりをみせた。同じく赤字だった北米の鋼管事業も収益が改善し、39億円の利益を記録するなど、それぞれのセグメントが結果を残し全体として底上げに成功した。

好調な中間決算を受け、住友商事は17年度通期での純利益の見通しを2300億円から2800億円へと上方修正。また、年間配当についても、50円から56円に引き上げた。また、同社は想定為替レートを1ドル=110円とし、レートが円安に1円振れると収益を10億円押し上げる効果があるという。

足元のドル円相場は113円を挟む展開で推移しており、さらなる円安が進めば、通期の業績にも追い風となりそうだ。業績への期待は株価にも反映され、同社の株価は1700円半ばと中間決算発表後に年初来高値を更新。年初来安値より約3割値上がりし、株価にも投資家からの期待が表れている。

資源価格上昇で大手商社は軒並み増益で追随

資源価格の上昇は、ライバルの大手商社にも潤いをもたらし、中間決算では各社とも増益となった。

住友商事に次いで、前年同期比で最も高い伸び率を示した三井物産 <8031> は、オーストラリアでの鉄鉱石や石炭事業が資源価格の上昇を受けて増益となり、金属資源部門の利益が大幅に伸びたほか、原油価格の値上がりでエネルギー部門も黒字に転換してことが主な要因。

三菱商事 <8058> も同様に、オーストラリアでの石炭事業が市況の上昇などで好調に推移したことから、増益につながった。国際商品市況の低迷を受けて、16年3月期には、この2社は最終赤字に陥り、非資源部門の割合が高い伊藤忠商事 <8001> に業界トップの座を明け渡すなど、苦杯をなめてきたが、明るい兆しが見え始めた。

【17年度中間期】純利益/伸び率/18年3月期/純利益見通し

三菱商事 /2539億9800万円/41.2%/5000億円
伊藤忠商事/2424億6800万円/19.9%/4000億円
三井物産 /2383億/700万円/95.4%/4000億円
丸紅/1045億9100万円/29.9%/1700億円

資源価格の上昇を受けて勢いを取り戻した三菱商事と三井物産は、ともに18年3月期の純利益見通しをそれぞれ4500億円から5000億円、3200億円から4000億円に引き上げて、強気の姿勢を見せる。三菱商事の株価は住友商事と同様、中間決算発表後に年初来高値を更新し、年初来安値より3割ほどの上昇をみせる。

一方、三井物産は、中間決算の材料をしても、年初来高値の更新には至らず、ライバル各社からの出遅れ感が目立つ。好調な決算とは裏腹に、市場では資源部門に依存した収益構造に不安が完全に払しょくされていないようだ。

中間決算でライバルに差を見せつけた住友商事は、非資源部門が屋台骨として収益を支え、国際商品市況の上昇を受けて、プラスアルファの利益を積み上げて好調な結果を残した。資源価格が安定している時期にこそ、資源部門からの増益にあぐらをかかず、非資源部門の事業を成長させることができるか。住友商事の中間決算での実績は、大手商社のライバル社にとって、直視しなければならない現実を示しているともいえるだろう。(ZUU online 編集部)

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