住宅ローン減税,住宅取得等資金贈与
(写真=PIXTA)

一生に一度とも言われる大きな買い物である住宅購入には、さまざまな優遇税制が用意されている。父母や祖父母から住宅取得資金の贈与を受けた場合に、贈与税の非課税の特例が適用される「住宅取得等資金贈与の特例」や、マイホームを購入した際に住宅ローン融資を活用した個人には、一定の条件を満たせば、所得税の優遇措置が適用される「住宅ローン減税」がその代表的なものだ。ただし、これらの住宅取得促進税制を活用して節税しようとするときは、いくつかのチェックポイントを確認しなければならない。その一つが年収制限だ。

目次

  1. 両親からの住宅資金は贈与税が非課税に
  2. 要件を満たさなければ適用を受けることができない
  3. 退職金や不動産等の売却収入には要注意
  4. 住宅ローン活用で最高500万円が還付される
  5. 年収が低い年は還付される

両親からの住宅資金は贈与税が非課税に

直系尊属からの贈与により住宅の取得または新築(その取得・新築とともにする敷地の取得を含む)を受けた場合には、一定の限度額まで、非課税の適用を受けることができる。

限度額は、贈与を受けた時期によって以下の通り(カッコ内は省エネ等住宅の場合)。
2016年1月1日〜2020年3月31日 700万円(1200万円)
2020年4月1日〜2021年3月31日 500万円(1000万円)
2021年4月1日〜2021年12月31日 300万円(800万円)

加えて、2019年10月に予定通り消費税率が10%に引き上げられた場合には、2019年4月1日〜2020年3月31日 の非課税枠2500万円(省エネ等住宅の場合は3000万円)まで、拡大され、その後2020年4月1日以降は段階的に縮小される予定である。

消費税の引き上げ後、戸建てやマンション購入の冷え込みが懸念されるので、最も影響をこうむりやすい時期に合わせて限度額を積み増すのだ。

ちなみに国税庁によると、2016年には6万人近くが5000億円を贈与している。

要件を満たさなければ適用を受けることができない

非課税制度は、贈与を受ける個人が、年齢が20歳以上であること、贈与者の直系卑属であること、その年の所得税に係わる合計所得金額が2000万円以下であることなどの要件を満たさなければ、適用を受けることができない。

直系卑属とは、贈与者の子・孫を意味し、子や孫の配偶者は含まれない。つまり直接血がつながっていなければ認めないというわけだ。ただし、養子は直系卑属に含まれる。

退職金や不動産等の売却収入には要注意