マイホーム,住宅購入,減税
(画像=PIXTA)

目次

  1. はじめに
  2. 贈与で住宅取得が可能なら2019年4月付近を要チェック
  3. 現在でも290万円の贈与税がゼロになる
    1. ●質の高い住宅の条件(下記の(1)〜()3の基準のいずれかを満たすもの)
  4. 多額の贈与を受けられる人は19年4月以降に
    1. ●消費税10%が適用される人の非課税枠
  5. 19年4月以降は1085万円の贈与税がゼロに!
  6. タイミングをはずすと税金が重くのしかかる
  7. 年間所得2000万円以上の人は対象外に
    1. ★非課税枠を利用できる受贈者の条件
  8. 古すぎる住宅や狭い住宅は対象にならない
  9. 住宅を新築し、又は取得する場合の家屋の要件

はじめに

マイホーム、大きな買い物だけに、いつが買い時なのか、お得な時期を知りたいという声は多い。2019年は特に消費税増税も予定されており、それに伴う税金の控除の増額などもある。家の買い時は消費税増税の後か先かも含めて、どのような点に注意しながら家を購入するのが効率的なのだろうか? お得で賢いマイホーム購入のための必須知識をまとめてみた。

贈与で住宅取得が可能なら2019年4月付近を要チェック

住宅取得のための資金を祖父母や両親などから贈与された場合、一定額まで非課税になる「住宅取得等資金贈与の特例」という制度がある。通常なら、年間110万円超の贈与に関しては、贈与税の対象になるのだが、それがゼロになったりと大幅に節税できるのだ。住宅の取得を考えている人は、両親などと相談して援助の道が開けないかどうか、相談してみてはどうだろうか。

しかも、この特例制度の非課税枠、現在は最高1200万円だが、2019年4月以降に、消費税10%の住宅を取得した場合には、非課税枠が最高3000万円まで増加する。両親などからの贈与の可能性のある人は、そこにターゲットを合わせたマイホーム計画を考えるのが得策になるはずだ。

現在でも290万円の贈与税がゼロになる

まず、この制度がいかにトクする制度であるかを試算してみよう。 現行制度では、「質の高い住宅」なら1200万円まで非課税になる。これに年間の基礎控除110万円を加えて1310万円まで非課税で贈与を受けることができるわけだ。

この制度がないと、1310万円の贈与を受けた場合、基礎控除の110万円を差し引いた1200万円が課税対象になる。直系尊属からの贈与は一般の贈与に比べて多少税率が低く設定されているとはいっても、決して少なくない税金がかかるのだ。1000万円超1500万円以下の贈与は税率40%で、税額計算はこうなる。

 (1310万円-110万円)×0.4(40%)-190万円(控除額)=290万円

税額は290万円だから、1310万円の贈与を受けても、実際に住宅取得資金に充てられる金額は1000万円ほどに減ってしまう計算だ。 それが、この特例を利用すれば税額はゼロになる。1310万円丸ごと住宅取得に充てられるようになるのだから、効果は小さくない。1000万円前後の贈与を受けられる人であれば、いますぐにでもこの制度を利用して住宅取得を考えてはどうだろうか。

なお、この制度における「質の高い住宅」というのは、断熱性、耐震性、バリアフリー性のいずれかが優れた住宅のこと。下記の3つの条件のうち、いずれかひとつを満たせばOKなので、さほど難しい条件ではない。

●質の高い住宅の条件(下記の(1)〜()3の基準のいずれかを満たすもの)

(1)断熱等性能等級4または一次エネルギー消費量等級4以上の住宅
(2)耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上または免震建築物の住宅
(3)高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上の住宅

多額の贈与を受けられる人は19年4月以降に