中古住宅,選び方
(写真=PIXTA)

目次

  1. 中古住宅なら500万円安く、土地は30㎡広い
  2. 人気エリアや駅近の物件が見つかるかも
  3. 一戸建ての価格は築20年で歩留りがかかる
  4. 1981年、2000年のふたつの判断基準
  5. リフォーム費用を予算のなかに組み入れて判断する
  6. リフォーム一体型のローンで負担を軽減する
    1. ●新築一戸建て
    2. ●中古一戸建て
  7. 中古一戸建て現地見学の7か条
    1. 1.現地へは必ず公共交通機関を使う
    2. 2.駅周辺を歩いて自分たちの目で確認する
    3. 3.物件の周辺を歩いてみる
    4. 4.建物を外から目視してチェック
    5. 5.内部の造作の状態を確認する
    6. 6.住宅設備の有無と作動具合
    7. 7.どこまでリフォームが必要かを確認する

マイホーム選びにおける中古一戸建てのメリットはどんな点にあるのだろうか。主な点としては、(1)新築に比べて価格が安い (2)エリアや時期にこだわらず、どこでも、いつでも探せる (3)新築に比べて土地面積が広い (4)マンションに比べて20年後、30年後の資産価値が高い――などの点があげられる。

ただし何でもそうだが、メリットがあればデメリットもある。その点を理解しておかないと後悔することになろう。主な点としては、(1)新築時の基本性能が低い上、老朽化が進んでいる 2)間取りプランが古く、使い勝手が悪い 3)安くてもリフォーム費用が高くなる 4)新築に比べて税制やローン面で不利になる――などの点だ。

このメリット、デメリットを知った上で判断する必要がある。まず、メリットからみてみよう。

中古住宅なら500万円安く、土地は30㎡広い

東日本不動産流通機構の『首都圏不動産流通市場の動向』から、2017年の中古一戸建ての成約価格の平均は3111万円に対して、新築一戸建ては3506万円。金額にして395万円中古住宅のほうが安くなっている。中古住宅はもっと安いのでは、という印象をお持ちの方が多いのではないだろうか。それには、理由がある。

実は、新築と中古では土地面積がかなり違っているのだ。新築の平均は120.76㎡に対して、中古は147.69㎡と中古のほうが27㎡ほど広くなっている。この土地面積の差を考慮すると、同じ広さの住宅なら、中古一戸建てのほうが3割程度は安いとみていいのではないだろうか。

特に首都圏の新築一戸建てだと、猫の額ほどの庭しかなく、ガーデニングなどは夢のまた夢だが、中古一戸建てならそんなことはない。家庭菜園までは無理にしても、庭いじり程度のことは可能になるはずだ。

人気エリアや駅近の物件が見つかるかも

新築の一戸建ては件数も少なく、希望しているエリアではなかなか物件が出てこないものだか、中古一戸建てならいつでも、どこでも探せるというメリットがある。

不動産仲介会社の団体である不動産流通経営協会の『不動産流通業に関する消費動向調査(2016年度)』によると、「既存(中古)住宅を購入した理由」のトップは、「希望エリアの物件だったから」の64.3%で、2位は「手頃な価格だったから」が54.7%で続いている。希望する場所で、安く手に入るのが中古一戸建ての魅力であるのは間違いない。

どのエリアでも、駅前から開発が進んでいくため、新築はどうしても駅からの距離が遠くなる。徒歩10分以上、バス便物件も少なくない。

それに対して、中古一戸建てなら駅前は難しいにしても、徒歩数分程度の駅近物件を見つけられる可能性もある。そのためには、地元に強い不動産会社に希望条件を伝えておき、該当物件が出たら一番に教えて貰えるように手配、連絡があったら誰よりも迅速に対応できるようにしておく必要がある。

一戸建ての価格は築20年で歩留りがかかる