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大富豪の時間管理術とは
大富豪は多忙なスケジュールの合間を縫って、バカンスや趣味を楽しむ。そんな余裕はどこから生まれるのだろうか。世界中を飛び回っている大企業家ほど時間の管理に長けている。
ビル・ゲイツ氏、ウォーレン・バフェット氏、ティム・クック氏ら5人の大富豪の時間の管理術を通じて、お金以上に大事な「時間資本」と上手く付き合う方法を学びとろう。
1.ビル・ゲイツ――徹底したスケジュール管理で無駄を省く
マイクロソフト会長の座を退いた後も主にビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団の活動で多忙なイメージの強いゲイツ氏だが、ワークライフ・バランスを重要視しており、自宅にいるときは必ず家族で食卓につき、料理まで作るという。
こうした時間の余裕は、「いっさい時間を無駄にしない」洗練されたタイムマネジメント・スキルから生まれる。
ゲイツ氏は過密なスケジュールを最短で5分単位にまで細分化し、仕事中は仕事のみに専念する。仕事中にSNSや私用のメールをチェックしてしまうなど「たった数分」の脱線が、長期間で換算すると驚くような時間のロスにつながる。例えば10分間仕事から脱線したとして、1週間で70分、1カ月で300分、1年間で60時間無駄にしている。
また自分が目を通すべき重要なメールを部下により分けさせるなど、さまざまなタスクで優先順位を決めている。
ゲイツ氏のタイムマネジメント術で最も興味深いのは、こうして濃縮させた時間を分散させるのではなく、ひとつの物事に集中して費やしている点だろう。多忙な企業家は複数のプロジェクトを同時進行させるのが一般的だが、ゲイツ氏はビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団とマイクロソフト関連の仕事をきっちり分けているという。
ゲイツ氏は日常的なタスクをこなすだけではなく、「長期的に時間を投資する」ことの大切さも説いている。何か目標を立てたとして1年や2年先の結果に焦るのではなく、5年、10年後にどうなっているのかに目を向ける。このあたりはウォーレン・バフェット氏が提案する長期的投資術と共通する。(ミディアム2018年12月7日付 )。