富裕層の多くは、一流ホテルに定宿(いきつけ)を持つ他に、セカンドハウスや高級ホテルコンドミニアムを保有している。自ら所有する理由は、非日常空間に滞在することによってもたらされる「費用対効果の高さ」からである。富裕層が別荘を利用する真の理由に迫ってみよう。

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(画像=リスト サザビーズ インターナショナル リアルティ)

非日常的な空間がもたらす効果

富裕層はホテルや別荘など、非日常な空間に滞在するための出費を惜しまない。なぜなら彼らは日常から切り離された空間が生み出すさまざまな効果を熟知しており、その恩恵をフルに受けているからだ。そのいくつかの例をご紹介しよう。

・疲労の回復と思考の切り替え
よく「リフレッシュするには旅に出よう」というが、多忙なエグゼクティブがリフレッシュするために選ぶのは、何でもない平日に1人で滞在する高級ホテルや、忙しいスケジュールの合間を縫って家族と訪れる別荘である。非日常的空間は、五感のスイッチを切り替えるためにも役立つ。常に重要な決定をおこなう必要があり、斬新なアイディアが求められるエグゼクティブ達は、雑事から離れた環境で、脳にあふれる情報を整理反芻し、ひらめきを生みだすのである。

・身体のリセット
仕事などでストレスにさらされることが多い富裕層は、心身のリラックスのために、ハイクオリティが約束され無用な混雑もないホテルや高級コンドミニアムのスパを愛用している。スポーツジムも同様で、宿泊者専用ジムで利用できるハイクオリティのトレーニングマシーンやパーソナルトレーナーは、身体を最高のコンディションに調整する手助けをしてくれるのである。

・最良の環境で広がるネットワーク
富裕層は人とのネットワークを大切にするが、非常に多忙であり無駄にする時間はない。そのため、どこの誰とも分からない人々とのゼロからのネットワーキングは好まない。高級ホテルにはそこにふさわしいゲストが宿泊しており、それはある意味の身分証明ともなる。別荘地にも富裕層同士のつながりがあり、ホームパーティーや近隣のレストランで紹介によってネットワークは、本人達だけでなく配偶者同士や子供世代にも広がるかけがえのない財産となる。

・無理なく優雅に過ごせる家族との時間
多忙な中でも家族との時間を大切にする富裕層は、コンドミニアムやホテルで提供されるコンシェルジュサービスなどをうまく利用して、家族との時間を最大限に楽しいものにする。

・食事の選択やファミリアリティ
外出しなくても食事、ジム、仕事などがすべて至近距離でこなせるのも、ホテルやコンドミニアムに滞在するメリットである。人との会食が必要な場合にはレストラン、部屋にこもりたい時は電話一本でルームサービスと、食事の選択も自由にできるため便利である。ハイクラスホテルの常連ともなると、自分好みにカスタマイズされたレシピを、ホテル側が覚えておいてくれることも普通だ。

お金の使い道で分かる富裕層が富裕層たる所以

富裕層の多くは、常連となっている一流ホテルの他にもセカンドハウスや高級ホテルコンドミニアムを所有している。ステータスシンボルとも言える別荘だが、決して高い買い物ではないというのが富裕層の共通認識だ。

その理由は、正しい場所に別荘を購入した場合、費用対効果が非常に高いからである。ROI(投資収益率)とも言える。ホテルや別荘がもたらす心身ともにリフレッシュできる環境、豊かなネットワーキングの機会とそこから広がるビジネスチャンス、愛する家族とのかけがえのない時間など、得られる対価は計り知れない。富裕層はお金を消費ではなく資産と時間と経験に使うというが、別荘の購入はまさにその一例である。

ハワイに別荘を所有するメリット

非日常空間を所有のメリットを最大限に生かすためにお勧めの地がハワイである。世代を問わず人気のハワイは、富裕層が集う場所としての地位をすでに確立している。自分自身だけでなく、配偶者や子供同士のネットワーキングも容易に可能だ。日本から飛行機で約7時間という適度な距離感、年中温暖な気候や、親日度が高く適度なレベルで日本語も通じるハワイは、安心感と非日常感を同時に与えてくれる稀有な場所でもある。

ハワイの高級コンドミニアムは、スパやジムなどの充実した共用施設などをはじめ、コンシェルジュサービスも充実しており、高級ホテルと同様のサービスを受けることもできる。高級ホテルの1室の所有権を購入する、ホテルコンドミニアムという選択肢もある。

もちろん実物資産としてもハワイの不動産は優秀だ。2008年のリーマンショック時も価格がほとんど崩れなかったハワイの不動産市場は、その需要の高さから常に長期上昇トレンドにある。別荘を何軒も所有する富裕層も、海外への不動産投資の一軒目はまずハワイという人が多い。ハワイを取り巻く環境や資産としての価値を考えると、納得のいく理由である。