昨日の海外時間には、米に対する海外からの投資を規制する案に関する報道が交錯する中、円相場は報道を受けて上下しましたが、結局は一連の報道前の水準に戻しました。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

アメリカに対する海外からの投資受け入れに関する規制について、WSJ紙は「中国資本が25%以上を占める企業に対して制限を設ける」と報じましたが、ムニューシン米財務長官は「米ハイテク企業への投資制限について、中国だけに限定した措置ではなく、「米国の技術を盗用しようとする全ての国」が対象になる」としました。一方ナバロ米国家通商会議委員長は「どの国にも投資規制を課す計画はない」と否定しています。一連の報道から、米政府内で中国などからの投資に関する規制が検討されているものの、幹部の間でも意見の違いが大きい事が分かります。今後もこの投資規制関連の報道で市場が一喜一憂して円相場が上下することが予想できます。

レンジ下限付近での押し目買いを待つ

109.20円付近でドル買い円売りのポジションを作りたいと思っていましたが、東京時間、NY時間ともに109.30円台後半で下げ止まったことからポジションはありません。引き続き109.20円付近での押し目買いを待ちます。損切りラインは108.90円割れです。

海外時間からの流れ

欧州時間序盤、ややユーロ売りが優勢となって、ユーロドルは1.1620台まで、ユーロ円は127.20円台まで下落しました。しかしすぐに反発してユーロドルは1.1670付近まで、ユーロ円は127.80円付近まで上昇しました。その後再びユーロ売りが強まる場面もありましたが、原油相場が上昇する中ユーロは一段高となって、ユーロドルは1.1700付近まで、ユーロ円は128.20円台まで上昇しました。この間ドル円は109.50円を中心とした狭いレンジ内の取引に終始しています。

NY時間午前、ややドル買いが強まってドル円は109.70.円付近まで上昇し、ユーロドルは1.1670台まで下落しましたが、ムニューシン米財務長官が「米ハイテク企業への投資制限について、中国だけに限定した措置ではない」と述べると、ドル売りが優勢となって、ドル円は109.30円台まで下落し、ユーロドルは1.1710台まで上昇しました。その後ナバロ米国家通商会議委員長が「どの国にも投資規制を課す計画はない」と述べると、一転して円売りが強まって、ドル円は110.00円台まで、ユーロ円は128.80円台まで急騰しました。この間ユーロドルは1.1690台まで小幅に下落しています。

NY時間終盤から東京時間にかけては、円の買い戻しが優勢となって、ドル円は109.50円付近まで、ユーロ円は128.10円台まで反落しています。

今日の予定

今日の海外時間には、米・4月S&P/ケースシラー住宅価格指数、米・6月CB消費者信頼感指数の発表があるほか、マカファティー・MPC委員、ボスティック・アトランタ連銀総裁、カプラン・ダラス連銀総裁の講演が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp