就業リスクはどういったものがあるか
会社員•公務員を問わず、労働にはリスクが付き物です。大きく分けて2つのリスクが就業時に発生すると考えると分かりやすいでしょう。
まず一つは「失業のリスク」です。これは会社の倒産、所属部署の閉鎖、また企業の買収や合併によりリストラに遭うリスクなどがあります。この場合のセーフティネットに対して、ハローワークや転職エージェントなどがあることで、復職のチャンスが存在します。
もう一つは「傷病によるリスク」です。勤務中での怪我、あるいは疾病で働くことが困難になると、休職や失職に至ることがあります。こうした場合の対処はどうすればよいのでしょうか?
疾病、傷害リスクに対応する保険
まず、注目したいのが「健康保険」です。病気や怪我で医療機関にかかる場合、健康保険証を窓口に提出すれば「3割負担」。長期入院や手術の場合でも「高額療養費制度」という、個人が支払う医療費の「上限」があります。
また、健康保険には「傷病手当金」の給付があります。標準給与(規定金額)の6割が支給限度額で、最長1年6ヶ月です。そして、民間の生損保が販売している医療保険やガン保険も入院給付金や手術給付金が「所得保障」の役割を果たしてくれるでしょう。
次に「労災保険」が注目です。給与天引きにある「社会保険」のひとつで、勤務中の傷病の際に給付金や労災年金が支給されます。
労災(労働災害保険)の適応範囲
「労災」は全ての怪我、疾病に有効なわけではありません。
例として、勤務中の交通事故や怪我、病気に適用されますが、あくまでも後遺障害が認められなければ、給付金は支給されません。これを障害認定といい、あくまで「医師の診断書」を元に決められ、これが厚生労働省の支給する「労災給付額」の根拠になります。
一次給付金や労災年金(これは、国民障害年金と並行して支給)という制度もあり、給付額はこの査定額に応じて支給されます。労災で大事なことは、ストレスによる「精神障害」や「脳や心臓疾患」にも適用範囲があることです。