ソフトバンクグループ <9984> の中核会社であるソフトバンクが上場予備申請を発表した。ソフトバンクは今後永続的に続く企業を作るために、中核会社であるソフトバンクの上場を決めたと言われている。今回の上場の狙いや、そもそもソフトバンクはどういうビジネスを行っているのかなどを解説したい。

ソフトバンク,親子上場,IPO
(画像= MAHATHIR MOHD YASIN / Shutterstock.com)

ソフトバンクグループとソフトバンクとの関係性は?

まずは、ソフトバンクグループとソフトバンクとの関係性から見ていこう。

ソフトバンクグループが1981年の日本ソフトバンクを発端とする会社であるのに対し、小会社のソフトバンクができたのは2015年と比較的新しい。それまで、ソフトバンクグループが持っていた携帯電話事業、回線事業などを集めて、国内通信事業すべてを担う会社にしたのがソフトバンクなのだ。

現在、ソフトバンクはソフトバンクグループの中核会社であり、ソフトバンクグループはソフトバンクの株式を99.99%保有している。

ソフトバンクはどういう事業を行っているの?経営成績は?

では、ソフトバンクは、どういう事業を行っているのだろうか。経営の実態はどうだろうか。

上述したように、ソフトバンクはソフトバンクグループの国内通信事業を担っている。携帯電話のソフトバンクだけではなく、Yahoo!モバイル、また、固定回線であるソフトバンクテレコム、また、Yahoo!BBなどのサービスも取り扱っている。まさに、日本の通信に関わる事業すべてに携わっているといえるだろう。NTTドコモやKDDIが競合になる。

経営状況はどうだろうか。2018年度の売上高は、3兆2200億円と、前年比+1.1%だった。しかし、営業利益ベースで見ると、約6820億円と、前年比-5.1%と、前年割れになっている。

日本の人口が減少していく中で、通信事業は今後、厳しい環境におかれるといえるだろう。携帯電話の加入者数自体は微増しているものの、携帯電話事業での売上は減少している状況だ。もはや加入者自体は頭打ちで、限られたパイを奪い合う形になる。さらに、大手3社だけでなく、楽天モバイルやMVNO事業者など新しい競合も生まれてくる。差別化できるポイントがどうしても値段やキャンペーンになってしまうため、利益がでにくい構造になっていると言えるだろう。

しかし、設備投資がものを言う事業でもあるため、ある程度の利益を安定して稼ぐことができる会社であることは間違いない。

今回の上場の狙いとソフトバンクグループが掲げる「群戦略」とは?

なぜ今回、このタイミングで上場を決めたのだろうか。それは、決算説明会で発表された「群戦略」と大きくかかわりがあると言えるだろう。

ソフトバンクグループは通信会社だと思われるが、実はグループ売上約9兆円のうち国内通信事業は4割程度にすぎない。アメリカの通信事業で、現在子会社であるスプリントや、広告事業を手掛けるYahoo社、さらには半導体事業を行うアーム社なども売上に貢献している。

さらに利益に貢献しているのが、ソフトバンク・ビジョン・ファンドに代表される企業ファンドだ。ソフトバンクグループの利益は全体で約1兆3000億円だが、そのうち3460億円をファンドの株式評価益で生み出している。

ソフトバンクグループは「群戦略」の名のもと、純粋な投資会社に生まれ変わろうとしている。具体的には、No1企業候補に投資を行い、その利益をさらに投資に回すことで、永続的にNo1企業を複数保有する、という戦略だ。実際、ソフトバンクグループとして過去にはアリババに投資を行ったり、昨年はUberに投資を行ったりしている。また、Weworkなど今伸びている企業に積極的に投資を行っている。

今回、ソフトバンクの上場は、ソフトバンクが「群戦略」を加速することの1つの決意だろう。日本で超大手になったソフトバンクの株式を売却することで、さらに有望な市場に対し、投資を加速させていく。そのためのエポックメイキングとして、中核会社の株式を売却させる、ということを行おうとしているのではないだろうか。

ソフトバンクグループの今後には要注目

ソフトバンクを独立させることで、ソフトバンクグループは投資会社としての立ち位置を明確にし、さらに群戦略を加速させていくだろう。今後、ソフトバンクグループが主導する大型のM&A等もあるかもしれない。ソフトバンク以上に、ソフトバンクグループのこれからの動きに注目したい。(ZUU online 編集部)