正しい休息、睡眠、土日の過ごし方とは?
月刊『THE21』ではこれまで何度も「休み方」についての特集を組んできた。仕事に必要な気力、体力を養うために、正しい「休み方」を知ることは現代のビジネスマンの必須スキルとすら言えるからだ。本記事では、これまでの多くの識者へのインタビューや実践によってわかってきた、「正しい休み方の7つの習慣」について取り上げる。
まず「休みを取る!」と決める
何を当たり前なことを……と思われそうだが、多くのビジネスパーソンが実はできていないのがこれ。仕事というのはそう区切りよく終わるものではない。「終わったら休む」という考え方では、いつまでもダラダラと仕事を続けることになりかねない。
「今日は17時で帰る」「次の水曜日には有休を取る」などとあらかじめ決めておくことが、正しい休息を取るうえでは非常に重要だ。「締め切り効果」が働き、仕事にも集中できるだろう。
自分に最適な睡眠時間を知る
良質な睡眠が休息に不可欠なのは言うまでもないが、たとえば著名人が「1日8時間寝る」といった話をしたり、「1日6時間は睡眠を取るべき」などという説がテレビで紹介されたりして、「自分も同じくらい眠らなければ」と考えるのは早計だ。人には自分に合った睡眠時間というものがあり、一律に「〇時間寝ればいい」というものではないからだ。
自分にとって最適な睡眠時間を知るには、毎日の睡眠時間とその日の調子(朝しっかり起きられたか、昼に眠くならなかったか、など)を記録するのがいい。眠気もなく、気力・体力ともに充実していた日が、あなたにとってベストな睡眠時間だ。
仕事中にもこまめに休息を入れる
一流のビジネスマンは限られた時間で集中して仕事を片づける一方、仕事中に適度に休息を取る術にも長けている。人間の集中力はそう長く続くものではなく、せいぜい1時間弱。適度にブレイクを入れたほうが仕事の効率が持続するのはもちろん、その際に立ち上がったり軽いストレッチをしたりすることで、身体の疲れも軽減される。
また、あなたが管理職だとしたら、リラックスタイムを意識して作るべきだ。それを見て部下が「自分も休んでいいんだ」と気づいたり、休息中にコミュニケーションが生まれるという効果も。上司が自分の仕事ばかりに集中していると、部下は話しかけにくいもの。こうしたリラックスタイムを持つことで、「報告しやすい雰囲気」を作ることができる。
金曜こそ早く帰り、週末の体力を温存する
ウィークデーは残業して必死に働き、金曜の夜にはすでにヘトヘト。週末はその疲れで一日中寝てばかり……こんなパターンを繰り返しているビジネスパーソンは多いだろう。だが、このサイクルを繰り返す限り、いつまでたっても疲れは取れない。むしろ週末の夜に余力を残してこそ、充実した休日が送れる。金曜の夜は意識して早く帰ることを心がけてみよう。
そのためには無理のないスケジューリングを心がけるとともに、急ぎではない仕事なら週明けに回してしまうといった「意識の切り替え」が大事。完璧主義に陥っていては仕事の時間は伸びるばかり。金曜日までに体力を使い尽くさないようにしよう。
休日にやることを「主体的に選ぶ」
休日は基本、自分の好きなことをやればいい。だが、それを「主体的に選んだかどうか」が、精神的な充実度を左右する。
たとえば、1日中テレビを観ながらダラダラと過ごしたとしても、「自分がそうしたいと決め、自分が観たい番組を観た」のなら、それは立派な休息になる。だが、テレビを観ていたらなんとなく時間が過ぎていたということになると、「時間を無駄にしてしまった」という後悔が残り、心が十分に休まらないのだ。
できれば平日中に「今度の休みはこれをやるぞ」と決めておくといいだろう。それが支えになり、仕事にモチベーション高く取り組むこともできる。
睡眠、食事のリズムを崩さない
週末は夜更かしして昼過ぎまで眠る……。休日ならではのぜいたくとも言えるが、身体のメカニズムから考えれば、これは明らかに「疲れが取れない休み方」。睡眠の専門家である中村真樹氏によれば、週末の寝坊は長くても2、3時間以内。それ以上になると生活のリズムが崩れ、かえって疲労の原因にもなってしまうという(『THE21』2017年12月号より)。
これは食事についても同様。毎日なるべく同じ時間に、同じくらいの量を食べることが重要。忙しいとなかなか難しいかもしれないが、残業時に仕事を一時中断して軽食を取るなどし、なるべく食事を同じ時間に取れるよう心がけよう。
「一人の時間」を意識して作る
これからのビジネスマンにとって「モノを考える時間」は何よりも重要だ。しかし、仕事中になかなかその時間を取るのは難しい。家庭がある人は、家に帰っても自由な時間は持ちにくい。だからこそ、意識的に「一人の時間」を作ることが重要だ。
休日に家族と過ごしたり、仲間と趣味を楽しむのもいいが、ときには一人で旅行に行ったり山登りをしたり、水泳などのスポーツを楽しむといった時間を作ってみよう。あるいは休日や会社帰りに、喫茶店で一人、しばらくボーっとするだけでもいい。そうした一人の時間が、貴重な「モノを考える時間」となる。
人と接している時間は、自分でも気づかないうちにストレスになっていることもある。一人の時間を作ることは、メンタルの休息にもなるのだ。
THE21編集部(『The 21 online』2018年05月16日 公開)
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