モノを持たないから快適に働ける!

ミニマルオフィス
(画像=The 21 online)

仕事で使うのは主にスマホとiPadのみ。オフィスには無駄な紙の書類も本もない――。快適に仕事をするには、「モノを減らしたミニマルなオフィスの実現が鍵」と語るのは、コンセプトクリエイターの小山龍介氏だ。複数のプロジェクトに携わりながら、新しい商品やサービスを生み出し続けている小山氏に、そのミニマルな仕事環境を見せていただいた。

現代の働き方に適したミニマルオフィスとは?

オフィスにモノがあふれる最大の要因は紙の書類。私も以前は書類の山に悩まされましたが、データのクラウド保管サービスが普及した2010年以降は、書類をデジタルデータ化して管理できるようになりました。それに伴い、他の道具も減らすことに。その結果、モノを持たない「ミニマルオフィス」ができあがりました。

ミニマルオフィスは、昨今のワークスタイルの変化からの要請でもあります。現在、複数のプロジェクトを掛け持つ働き方だけでなく、本業を持ちつつ別の仕事をする副業まで認められつつあります。複数の仕事を同時並行的にこなすには、頭の切り替えが重要です。オフィスをシンプルにして余計な情報をシャットアウトすれば、仕事に集中しやすくなり、切り替えもスムーズにできるのです。

また、昨今は、「所有からシェアへ」の流れが加速しています。購入しなくても、必要なときにだけ借りればいいのです。「モノを持たない」オフィスが実現しますし、オフィスそのものも共有が進んでいます。なんなら、クラウドの活用により、チームメンバーとネットワーク上だけでやり取りする、バーチャルオフィスも構築することさえできます。持たない働き方がどんどん可能になっているのです。

1つのツールを何通りにも使いこなす

ここで改めて「ミニマルオフィスとは何か」を定義すれば、「モノを必要最小限に減らすことで、効率よく快適に仕事ができるオフィス」のことです。モノを減らすには、1つの道具を幾通りもの用途で使い回す「ワンツール・マルチユース」の考え方が重要です。

私の場合、仕事道具はスマホとiPadに集約し、通話やメール、ネット閲覧、録音、メモ、テレビ視聴、読書など多岐に渡る用途に使っています。これにより固定電話やPC、メモ帳などをなくすことができます。

最大の問題である紙の書類は、すべてスキャンしてデータで保存。とはいえ、スキャナーは持っていません。高性能なアプリで十分代替できるからです。

提出書類や資料もできる限りデータでやり取りするようにしています。昔は、出張に小型プリンターを持ち歩いたこともありました。今なら、コンビニで印刷できます。

決算書類や契約書、法律で保管が義務づけられている書類に関しては、寺田倉庫が提供する「minikura」などの保管サービスが便利です。

アマゾンを倉庫代わりに使え!

紙に次いでオフィスを占領しがちな書籍ですが、私は電子書籍を活用しています。ただ、私は本だけでなく、アマゾンを他の用途にも使っています。それは「倉庫代わりにする」ことです。

具体的には、滅多に使わないけれどいずれ使うかもしれないものをアマゾンのマーケットプレイスで売却。そして、必要なときにまた買い戻すのです。よほど希少価値があるもの以外は、必ず同等の品が出品されているものです。これによりモノの死蔵を避けられるうえ、使わないモノで収納スペースを埋める無駄もなくなります。これも一種の「シェア」と言えるでしょう。

現代は便利なサービスが続々と誕生しています。それらも駆使しつつ、必要最小限の道具で効率よく快適に仕事ができる環境を実現してください。

小山龍介(こやま・りゅうすけ)㈱ブルームコンセプト代表取締役
1975年、福岡県生まれ。大手広告代理店勤務を経て、米国MBAを取得。その後、松竹で歌舞伎をテーマに新規事業を立ち上げた。2010年、ブルームコンセプトを設立し、現職。コンセプトクリエイターとして、新規事業、新商品などの企画立案に携わり、さまざまな商品や事業を世に送り出している。著書に『IDEA HACKS!』(東洋経済新報社)をはじめとするハックシリーズなど多数。《取材構成:前田はるみ 写真撮影:長谷川博一》(『The 21 online』2018年5月号より)

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