- 【第1回】「つみたてNISA」を活用せよ〜人生100年時代の戦略〜
- 【第2回】元本800万円は20年でどこまで増える?
- 【第3回】国際分散投資のススメ
- 【第4回】1/22公開予定
- 【第5回】2/26公開予定
「ライフシフト」という本が世界中でベストセラーになり、人生100年時代を前提にした豊かな生活を送ることへの意識が大いに高まっています。それは、この国で戦後長らく定着して来た60歳定年退職から老後(セカンドライフ)が始まるというライフサイクルの常識が覆ることを意味しています。充実した生涯を送るために、シニア世代になってからも必要な自分自身の無形資産として、知識やスキル、健康、人的ネットワークの存在を指摘しています。
とは言え、単に長生きすることのみならず、無形資産を健全に活用して行く上でも必要不可欠なのが、お金という有形資産であることは言うまでもないでしょう。
さらに、私たち日本人がこれからもこの国で生きて行くならば、決して看過することができない日本社会の構造的課題を、改めて認識しておく必要があります。
少子高齢化と人口減少は社会の構造的課題
その最たる事象がこれから急速に進展する少子高齢および人口減少社会でしょう。子供が増えず、年々高齢層が拡大し続けることによる人口減少社会で何より深刻なのは、経済活動の担い手である現役世代がどんどん減ることです。
働く人が少なくなって行く社会が経済成長を持続させるのは容易なことでなく、それにはあえて学術的表現をするならば、労働生産人口の減少を上回る労働生産性の上昇が絶対不可欠な条件となるわけで、現実的には成長力のさらなる減退、引いては日本の経済規模が徐々に縮小して行くことが避け難いということです。
おまけに公的年金を拠り所とする高齢者の数がうなぎ登りで増えて行く現実では、年金・医療・介護といった社会保障費の加速度的増大が必然となるわけで、国が負担する社会保障コストは現状レベルの税収では到底賄えず、赤字国債で補てんしながら制度維持を図るため、近い将来さらに年金支給水準が下げられて、医療費の自己負担が大きく増加し、介護支給要件も厳しくなることでしょう。