一億総転職時代に必要な「転ばぬ先の杖」

35歳以上のミドルの転職に特化してサポートを行うようになって分かったことが多々あります。その中の1つが、先ほども述べたように、ミドルの転職市場の現実が求職者にほとんど知られていないということです。ブラックボックスになっている転職市場で、やみくもに転職活動を始め、能力があるにもかかわらず転職が決まらず、割を食うことになってしまっている方々が大勢います。

そうした方々のために、「ミドル転職のリアルな事例」を網羅的にまとめ、そのポイントを解説した1冊を提供したい――そのような思いから執筆したのが、近著『40歳からの「転職格差」』(PHPビジネス新書)です。

2020年代に入れば、40代、50代の転職が当たり前になっているかもしれません。そうした「一億総転職時代」の到来に備えるために、今は転職を考えていない多くの人たちにも役立つ内容だと自負しています。

大事なことは、一人ひとりが生き生きと働くことであり、自分のキャリアの満足度を高めることです。死に際に、「なかなかいい人生だったな」と思えるようにするために、一度立ち止まって、今後の仕事の内容や働き方について考えを巡らせてみてはいかがでしょうか。

一人でも多くの人が柔軟に仕事を変えたり、働き方を変えることができるようになり、その結果、豊かで満足のいく人生を送ることができることを心より願っています。

(『40歳からの「転職格差」』より一部抜粋・編集)

黒田真行(くろだ・まさゆき)
ミドル世代専門転職コンサルタント/ルーセントドアーズ[株]代表取締役
1965年生まれ。89年、関西大学法学部卒業後、リクルートに入社。B-ing、フロム・エーの関西版編集長などを経て、2006年よりリクナビNEXTなどの編集長を8年間務める。12,000人を超える転職者・人事責任者などと接し、転職活動のノウハウや日本の中途採用市場、マッチングの構造に精通。14年、ルーセントドアーズを設立。近著に、『40歳からの「転職格差」』(PHPビジネス新書)。(『THE21オンライン』2018年07月11日 公開)

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