業界のことを知らなければ営業はできない

営業のルーチン
(画像=THE21オンライン)

顧客目線で言えば、業界のことも勉強せずに営業に来るなど失礼な話だ。逆に営業する側にとっては、業界を分析する過程で企業に共通する様々な課題が浮き彫りになるのだから、売れる営業パーソン共通のルーチンになる。効率的に業界分析を進めるためのステップと、その中に潜む”秘密”を紹介したい。

業界分析の3ステップ

そもそも「業界」とは何なのか? 金融業界、製造業、IT業界に加え官公庁、自治体、文教等様々と言いたところだが、まずはザックリでも業界がいくつあるのかを知らないと営業実務が進まない。

業界の定番はいわゆる証券取引所で用いられている証券コード協議会が分類した「33業種」だ。

しかし、これだと「保険業」という分類に「生保」「損保」双方が入れられ、「情報・通信業」に「IT業界」「システム開発」「通信キャリア」などが一括りにされてしまうので、営業的には使いにくい。

そこで登場するのが、「就活」で用いられる媒体による業界区分だ。これらは60弱に分類されるので、業界分析や業界研究には「もってこい」の区分として重宝されている。

さて、その上で業界分析、業界研究を始める訳だが、その手順は次の3ステップで進めたい。

1)アウトラインをつかむ
2)業界に影響を与える環境変化を押さえる(PEST)
3)業界としての課題を知る

アウトラインをつかむ

この業界はどんな顧客に、どんな商品やサービスを提供し、どんな業務フローで仕事をしているのかといった概略を把握する。

よく使われてきたのは就活用の「30分でつかむ~」「2時間で分かる~」といった業界本だったが、今では「生保業界」と入力すれば簡単にネット検索できる時代になった。