いつでもどこでも簡単にできるストレッチ&マッサージ4
両手を組んで上に上げ、腕が耳の後ろになるくらいまで背を伸ばし胸を張る。そのままゆっくりと息を吐きながら左右に倒す。胸を開くと空気がたくさん入り、肺が活動し始める。背中を伸ばすと背中の正中線を流れる経路に気が回るため、自然と気持ちが前向きに。朝に行なうと、1日を活動的に過ごすスタートが切れる。
背中で手を合掌する形に組み、手のひらが離れないように息を吐きながら両手を背中の上方へ上げていく。次は両手を指先からひじまで合わせ、上を向けたままひじをできるだけ高く上げる。横隔膜がよく動くようになり、深い呼吸ができるようになる。肩周辺の太い筋肉が刺激され脂肪が燃焼するので、ダイエット効果もある。
オフィスのデスクなどの縁に手のひらを反対に返して強く押しつけつつ、息を吐きながら上肢を思い切り伸ばす。前腕の中心部分を、反対の手の親指の腹で三秒ずつ位置を変えながら押していく。緊張が和らぐため、面接や大事な商談などの前に行なうとよい。パニック状態から脱することもできるので、物事に冷静に対処できるようになる。
耳にはいろいろな内臓につながるツボがあり、マッサージをすることで身体のバランスを整え、疲れやストレスの解消につながることも。日本をはじめ中国、フランス・アメリカでも、耳に鍼を打つストレスの治療法もあるほどだ。「なんとなくイライラする」という人は、「耳神門」(上図星印)のマッサージを。気持ちを落ち着かせる効果がある。
1 耳たぶをつまみ、下から上に少しずつ位置をずらしながら外側に引っ張る。
2 耳たぶの上まで来たら、「耳神門」を親指と人差し指ではさんで押す。
3 耳の穴近くに指を入れて、後ろにぐっと引っ張る。
船水隆広(ふなみず・たかひろ)東京医療専門学校鍼灸マッサージ科科長
1970年、北海道生まれ。はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師として20年の臨床経験をもち、欧米やアジア各国など国内外で鍼灸の指導にあたっている。ストレスケア、こころの病気に対する経絡治療と「さざなみてい鍼術」が専門分野。心身健康科学修士、経絡治療学会評議員、日本伝統鍼灸学会理事、日本更年期と加齢のヘルスケア学会幹事、多文化間精神医学会会員。著書に、『深い疲れをとる自律神経トリートメント』(主婦の友社)などがある。(『THE21オンライン』2018年8月号より)
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