ニュースでも多く触れられていますが、不動産市場がにわかに活気づいています。
不動産市場全体の値動きを示す東証REIT指数(東証コード:155)は、3月25日現在、年明けから3カ月半で30%も上昇しました。1400ポイント台を回復しており、2008年7月以来、実に4年半ぶりの高水準です。そして、REIT市場全体の時価総額は約7兆円に到達し、過去最高を記録しました。(リーマンショック後の2008年の10月には、2兆円近くまで落ち込んでいました。)
果たしてこの不動産市場の上昇は本物なのでしょうか。
本日は世界的な不動産投資のトレンドや、直近の国内市場の上昇要因についてのまとめをお届けし、上記の問いを考える参考にして頂きたいと思います。
参考:
日本の不動産ってどうなのよ?~高騰する海外市場との比較より~
◉世界的な株式市場、不動産市場へのシフト
現在、世界では債券投資から株式投資へと大きな投資トレンドのシフトが起きています。そして株式市場に出向いたマネーは、“不動産投資”へも関心を示し始めています。
リーマンショック後、各国は金融緩和策と財政政策に乗り出し、その結果、長期金利が30年ぶりとも言える水準で大きく低下しました。
(※日本はそれ以前から大きく低下しています。)
このことにより、これまで約半世紀の間、保たれていた「配当利回り」<「債券利回り」の構造が崩れつつある事が株式への資金流入の要因の一つです。
そしてこのような世界的な潮流と重なるように、日本に置いてもアベノミクスの金融緩和により、不動産市場への期待が高まっています。
その事は、東証REIT指数以外の指標にも現れています。
例えば、2013年3月21日に公表された公示価格は、全国的にはまだ下落傾向にありますが、明らかに下げ止まっています。また、地価が上昇している地域も昨年より広がっています。
参考:国土交通省土地総合ライブラリー