日本国内に1,200万以上あるNISA口座。非課税の金融資産を保有できるという特徴などから、年々利用者が増え続けている。利益を増やす方法の一つが、手数料をいかに抑えるかだ。

一般NISA、ジュニアNISA、つみたてNISAの比較

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(画像=Khongtham/Shutterstock.com)

NISA(少額投資非課税制度)は、毎年一定金額内で購入した株式や投資信託から得られる利益に関しては税金がかからないという個人向けの投資優遇制度だ。2019年1月現在、「一般NISA」と「ジュニアNISA」、「つみたてNISA」の3種類がある。

NISAで投資をする場合、銀行や証券会社などでNISA口座を開設・保有し、金融商品を購入しながら資産を運用していく。このときに気にしたいのが「取引手数料」だ。高い運用成果を上げても、手数料が高ければ利益は少なくなる。

取引手数料は、NISA口座を開設する金融機関や購入する金融商品によって異なるが、3種類のNISAを比較すると、つみたてNISAだけが少し特殊だ。つみたてNISAでは制度上、販売手数料がゼロ(ノーロード)の金融商品のみを対象としている。そのため金融商品買付時の手数料を気にする必要がない。

一般NISAにおける販売手数料の傾向

3種類のNISAの中で口座数が最も多い一般NISAでは、国内・海外の上場株式やETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)のほか、株式投資信託、ETN(上場投資証券)、新株予約権付社債(ワラント債)が対象となる。

このうち、各証券会社がNISA口座で取り扱う国内株式の取引手数料を比較すると、多くの証券会社で購入時と売却時の手数料が0円となっている。一方、外国株式については一般的に有料で、証券会社やどの国の株式かによって取引手数料が異なる。

NISA口座は1人1口座しか持つことができないため、どの金融機関に口座を開設するかを決める際は、取り扱っている金融商品の種類などに加え、取引手数料も確認しておきたい。

一般NISAにおける各証券会社の取引手数料の比較

NISA口座の開設が可能な証券会社として知名度が高い、楽天証券とマネックス証券、SBI証券の手数料を比較してみる(※2019年1月時点、すべて税抜表記)。

●楽天証券:国内株式の取引手数料は0円、中国株式の場合はやや高め

楽天証券の国内株式の手数料は0円だ。一方、カスタマーサービスの担当者が取引を取り次ぐ場合は有料となる。また、単元株(最低投資単位)以下の買い取りについては、1件あたり300円がかかる。

外国株式の取引手数料は有料だ。米国株式の場合は、約定金額(注文が執行されたときの金額)の0.45%で最低手数料が5ドル、中国株式の場合は約定金額の0.5%で、最低手数料が500円だ。

国内ETFについては取引手数料は無料。米国や中国のETFは、買付手数料は全額キャッシュバックされるが、売却手数料はキャッシュバックの対象外だ。投資信託は、銘柄によって手数料が異なる。

●マネックス証券:国内株式は0円、単元未満株の場合の取引手数料が安い

マネックス証券のNISA口座における売買手数料も0円だ。単元未満株の売買手数料は約定代金の0.5%、最低手数料は48円に設定されている。

外国株式の売買取引手数料については、米国株式は約定金額の0.45%で、下限は5ドル、上限20ドル。中国株式は約定金額の0.25%で、下限は45香港ドル、上限は450香港ドルだ。中国株式の手数料を比較すると、楽天証券の半分だ。

投資信託の手数料は、楽天証券と同様に銘柄によって異なる。

●SBI証券:国内株式は0円、手数料無料の投資信託が多い

SBI証券も、国内株式の取引手数料は0円だ。単元未満株の場合は約定代金の0.5%、最低手数料は50円となっている。

米国株式の取引手数料は約定金額の0.45%で、下限は5ドル、上限20ドルとなっており、楽天証券やマネックス証券と同水準だ。中国株式は約定金額の0.26%で、下限は47香港ドル、上限は470香港ドルとなっており、楽天証券よりは安いがマネックス証券よりは若干高い。

投資信託の手数料は銘柄によって異なるが、買付手数料が無料の「ノーロード投信」が多い。

わずかな手数料の差も積もれば大きい額に

各証券会社の取引手数料を比較すると、業界の相場がある程度決まっていることがわかる。NISAは中長期的な資産形成に向いている投資だ。わずかな手数料の差も積もれば金額が大きくなるため、始める前にしっかり比較しておくのが賢明だろう。

文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)/MONEY TIMES

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