小型機対応フィンガー新設
現在5つのフィンガーがありますが、これらの内4つは耐震性を高めるために建替えになります。残る北側の1つについては改修されます。またMRJなどの小型機対応フィンガーも増設されます。このMRJについては、ANAとJALが導入を計画しています。小型機対応時のスポットも、現在の54から56に増え、そのうち固定スポットは20スポットになります。
MRJに対応した駐機施設も、客席の床が低いMRJに合わせて通常5メートルを超えるところを約3.6メートルに抑えることで航空機に乗りやすくします。このよう低い床の施設は国内の空港では初めてであるとのことです。
都市型でビジネス主体の空港としての進化を
今回の改修で建築面積は11.9%増えて6万1200平方メートルになり、延床面積は4.0%増えて約13万1200平方メートルとなります。店舗数は逆に現在の約77店舗から73店舗に集約し、その上で利用者の動線を効率化し、搭乗手続きを円滑にするなど、特にビジネス客の利便性を向上させることを目指しています。また、環境にも配慮されており、雨水利用の促進、照明のLED化促進、空調の効率化向上が進められます。
新関西国際空港会社の安藤圭一社長は今回の改修で注力している点について、伊丹空港ではビジネスマンの利用が多いことから、ストレス無く短時間で移動できる都市型の先進空港にすることだとしています。また、日本の空港が総じてIT化に遅れていることからも、特に遅れていた伊丹空港のIT化においても先進空港を目指したいとしています。
伊丹空港の運営権は民間に売却
今回の改修の投資額は200億円強です。新関西国際空港会社だけでなく、一部は航空会社も負担します。また、改修中も運行便数は減らさないとしています。
伊丹空港は今後、関西空港とともに運営権を民間に売却する予定です。国が100%出資する新関西国際空港会社が資産(滑走路やターミナル)を所有したままで、民間企業(公募で選定)が設立するSPC(特定目的会社)が運営するという、所謂コンセッション方式が採用されます。2020年に向けて先進空港を目指す伊丹空港が注目されています。
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