(本記事は、秋田谷紘平氏の著書『月10万円副業!』ぱる出版、2019年1月7日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
会社だけで終わっていいの?
私は副業をやってみて、稼ぎだけではなく、他にも得られるメリットが2つあることを知りました。
一つ目は、経験です。
私は職業柄、さまざまな仕事に携わる方と接します。
建設関係、不動産関係、飲食関係、IT関係…色々な仕事のことを知るのは、とても面白く、刺激になります。
しかし、やはり実際にやるのとは違うのです。
例えば、不動産関係などは、以前より仕事として税務申告を多く手掛けていました。
関係する書類なども見慣れているつもりでしたが、ある日「せっかくだし自分でもやってみよっと」と思ってマンションの一室を購入してみたのです。
すると、見え方が全然変わってくることがわかりました。
物件を検討しているときのワクワク、空室になったときの焦り、管理上のトラブル…やってみることで、知っている、と思っていたことでも、間違いなく全然違った角度で自分の経験になっているのです。
実際にやってみてからは、不動産を持っている方との相談は、雑談も含み、とても弾むようになりました。
自分の視点としても、それまでよりも、接することが明らかに楽しみになっています。
副業の経験が本業の力になる。
ここまでお伝えした例は、密接に副業と本業がリンクしている場合の話でしたが、直接でなくても、副業をすると「自分の世界」が広がると私は思っています。
「自分の世界」を広く持てている人は、余裕が生まれ、会社との立ち位置のつかみ方も上手にできるようになっていると思います。
ここで突然ですが、私の父の話です。
私の父も実は税理士の資格を持っています。
しかし、大学を出てからずっと、全然税理士の資格とは関係のない分野の会社に、ひとすじで勤めています。
しかも、財務部でも経理部でもありません。
税理士を取ったのはその会社に勤めながらでした。
なぜずっと同じ会社に勤めていながら、転職をするのでもなく、わざわざ何年もかけて税理士の資格を取ったのか、聞いてみたことがあります。
父はこのように答えました。
もし会社が潰れたら困るだろ? 会社に依存しなくても生きていけるようにだよ。
父が勤める会社は親族経営の会社でしたが、結果的に父はその会社の専務にまでなりました。
父は副業をしていたわけではありませんでしたが、税理士の他にも資格を多く持っていました。
資格マニアをこじらせただけかも知れませんが「いざとなったら他のこともできる」という自信が、会社に対しての距離感を良いものにしたのではないか、と私は思います。
自分が会社に対してできることは、きちんとやる。
会社が自分の思う方向と全く違う方向に行くなら、決別も辞さない。
副業は、このように自信を持って会社と接することができる根拠になり得るのです。
仲間が増えて、楽しい人生に!
二つ目のメリットは、人脈です。
業種にもよるかも知れませんが、一から十まで完全に孤独なまま完結する仕事は少ないでしょう。
相手がお金を払ってくれるからこそ仕事になるのですから、当然です。
その中で、人付き合いが生まれます。
人によって考え方は違うとは思いますが、私は、単純に友達は多い方が良いだろう、と考えている一人です。
そして友達の定義も人によると思いますが、私の感覚では、名刺交換して30分も話した人は友達みたいなものだと感じています。
このへんの賛否両論は置いておいて、私としては友達=頼れる人で、自分が困ったら助けを求めることができる人でもあると思います。
ただ、もう良い大人ですし、助けを求めるだけではなく、こちらからもその助けに報いる必要があります。
その形は、自分もその人が困ったときに助けることや、食事を奢ってみたり、時と場合によってはズバリお金だったりします。
このやり取りがお互いにできる相手は、多くて困ることはないと思います。
やたらお金を請求してくるとか、一方的に助けてくれという要請だけくるとか、ちょっと自分とは感覚が合わないな、と思う人とは、距離を置けば良いだけです。
副業をやっていると、それまでと違うフィールドに足を踏み入れることも多いので、単純にこの人脈が増えると言えます。
不動産投資や株式投資などは一見孤独なように見えますが、今日日はインターネットの普及により、一定量の情報は誰でも得られるようになった反面、そこから一歩先を行くために、結果的にはよりナマの情報が価値を持つようになったと言えるでしょう。
投資仲間を作り、より先進的な情報を収集できる人が有利になる、となれば、やはり人脈というのは重要な意味を持つことがわかると思います。
副業することで接する人が増え、仲間が増え、友達が増える。
なんだかんだと言ってきましたが友達が多い方がきっと人生楽しいじゃん?という完全なる私見で締めくくりたいと思います。