(本記事は、秋田谷紘平氏の著書『月10万円副業!』ぱる出版、2019年1月7日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
ズバリ、資金投下の限度を知る
副業をするとなると、全く準備にお金がかからないものはアルバイトくらいのもので、始めるためにいくらかはお金をかけることになるかと思います。
では、いくらまでお金をかけるのが妥当なのでしょうか?
個人的にオススメしている基準をお伝えしましょう。
まず比較的現金を貯めているのに近いと考えられる、次の資産を合計してみます。
・現金
・預金(普通預金、定期預金、定期積金など)
・保険(養老保険や学資保険などの資産性のあるもの。掛け捨てのものを除く)
・株式(上場していて時価のあるもの)
・不動産(自分が住んでいる自宅以外で、売却できるもの)
これらの資産を時価でざっくり合計して、その3割までが副業を開始するにあたって解約できて、返戻金があるもの準備金として投下するのに適していると私は考えています。
ここで挙げた資産は、ある程度現金化しやすい資産だと言えますが、万が一急に資金が必要になったときに、それが7割ほどは残るようにしておきたいです。
が、このあたりの考え方はひとそれぞれです。
何割という考えではなく、例えば100万円残っていればどうにかなる、と考えるのであれば、それを超える分は副業に回す、というのもありでしょう。
ただ、あまり極端な金額を、特に投資系の副業に賭けるというのはあまりオススメしません。
この副業は絶対うまくいくから資金を全部突っ込むんだ、というような話も聞くことがありますが、そのような方はあまりうまくいっているのを見ないように感じます。
まして、親族から借りて突っ込む、というようなことは絶対に避けるべきでしょう。
ただし、借りて運用するという意味では、不動産は考え方が変わります。
借りた金額に応じたリスクを背負うことは間違いありませんが、本業の給料を担保にして、少額の頭金を基に借入をし、不動産を手に入れて運用する、というのは不動産投の基本的な考え方になるためです。
なぜこれだけ例外的に考えられるのかというと、不動産は価値の変動が他の投資と比較して小さいから、特に東京都心では、価格が安定している傾向があるからです。
借り入れと同額の資産を手に入れる、と考えられるため、負債だけが大きくなるわけではない、というわけです。
いつ、どのようにやるか計画を
副業をいつやるつもりなんですか、という質問をすると多くの人がこのように答えるでしょう。
「仕事が終わったあとと、休日」
これは、当たり前の話なのですが、副業の種類によっては、よく考えてみましょう。
何かあったときに連絡を取り合う相手が本業だったら…?
例えば、物販で仕入れる相手や売る相手との連絡です。
相手が本業であれば、相手方から見るとやり取りするのは基本的に昼間になります。
もしあなたが本業の最中に電話に出るような必要があったり、即メールを返信しなければいけないような局面があったりすると、取引がスムーズにいかない可能性もあるかも知れません。
24時間取引できる投資系の副業であれば問題ありませんが、それ以外の副業はどこかしらで時間的な制約や人が絡んでくるものです。
それを踏まえて、副業が成立するのか事前に検討しなくてはいけません。
また、副業をやるにあたって、家族を巻き込むことが可能なら、とても良い方向に作用することが考えられます。
このような昼間の連絡などを受け持ってくれたり、作業を分担してできたりなど、相乗効果が期待できます。
副業が軌道に乗り、もし将来的に独立して開業するのであれば、最初から強力なパートナーがいるというのは頼もしいものです。
ただし、もちろん手伝ってもらうならそれなりの見返りを用意しないと、後々トラブルの種にもなりかねません。そのあたりも早い段階で慎重に考えるようにしましょう。(上手くいった想定をして分け前の皮算用ばかり気にしても仕方ありませんが…)
あなたは副業の経営者
あなたが経営者です! と言われ、ピンと来る方はどのくらいいるでしょうか?
まず、経営者の仕事ってなんでしょうね?
あなたの勤める会社の経営者はどんな仕事ぶりでしょうか?
これは会社にもよると思いますが…
あんまり仕事をしているようには見えない?
会議ばっかり?
平日からゴルフ三昧?
夜は接待と称して飲んでばかり?
どうも、これだけ聞くとあまり仕事しているように思えないかも知れませんが、そうでもありません。
経営者の主な仕事は
・情報分析
・意思決定
であると言えます。
一見遊んでいるように見えるかも知れませんが、多くの経営者は、情報収集のためにゴルフや接待をしているのです(ただし、楽しんでいる部分も大いにあるでしょう)。
外部で得た業界の環境に関する情報、取引先との関係性に加え、会社の内部の数字や状況に関する情報を基に、会社の進むべき方針や、ルールなどを決めるのが、経営者の仕事です。
では、皆さんも早速、先輩の経営者を見習って、ゴルフと夜の接待に全精力を注ぐ…かというと、そうではありません。
小さい会社の経営者がやるべきことは、まず目の前の意思決定からです。
どのような商品をどのような価格設定で、どこへ売っていくか。
そして、それを振り返ります。
この商品は売れ行きが良かった。しかし利益率が悪かった。どのルートだと反響が多かった。
などなど、ここでできるだけ記録を振り返って情報分析をします。
そしてそれを基に、再度意思決定です。
売れ行きが良かった商品を基に、利益率を上げられるように仕入を工夫して、反響が多かったルートを中心にアイテム数を増やす。
というようにです。
当たり前のことに見えますが、きちんと記録を付けたり、振り返ってみたり。
このような作業、自然とできますか?
具体的なステップは次の通りです。
(1)あとで振り返るための記録を作成する
簡単にエクセルなどでまとめる程度でも構いません。
ネットでの商品売買や株式投資等では、記録が自動的に出てくることも多いため、その場合はそれをベースにすると良いでしょう。
(2)一定期間ごとに(1)で作成した記録を振り返り、状況を分析する
記録は作るだけでは意味がありません。
毎月でも、3ヵ月ごとでも、半年ごとでも良いので、定期的に目を通します。
最悪、前月や前年の同月と数字を比較するだけでも良いでしょう。
そして、特に数字の変動があるところで、なぜその結果になったのかを分析します。
(3)分析した情報を基に、その後の方針について意思決定をする
分析した結果、例えば売上が増えたのが何故かがわかれば、その増えた方法を再現できるように行動することで、売上の伸びが期待できます。
その場合には、できれば売上の目標を決定するなど、可能な限り目に見える形で物事を決めていくとより効果的です。
売上の目標も、闇雲に立てるのではなく、できるだけ現実的にシミュレーションして計算しましょう。
意識的にやるようにしていくと、意識していない人と比べて明らかに数字に差が出てきます。
これを積み重ね、従業員が増え、自分が現場から離れて人を率いていく立場になり、組織が大きくなっていくと…
業界の環境に関する情報や取引先との関係性がより大切になってきて、自然とゴルフや接待が重要性を帯びてくる、というわけです。
ゴルフや接待三昧をするためにここまでになりましょう、というわけではありませんが…あなたの本業の経営者の動きを、これらを踏まえてもう一度観察してみましょう。
これまでの見え方とはまた違った発見があるかも知れませんよ。