クラフトビール市場拡大の鍵は、多彩なラインナップから「どう選んでもらうか」
AIが、自分で自覚していない嗜好を予測し、好みに合ったクラフトビールを診断――そんなサービス「ビアナビ」が始まるという。11月7日(水)に池袋・キリンシティプラスWACCAにて行なわれた記者会見から「ビアナビ」についてレポート。
キリンの調査によれば、クラフトビール市場はここ5年間で約2倍に拡大し、今後もさらなる拡大が見込まれるという。その種類は豊富で、なんとビアスタイル(ピルスナー、IPAなどのこと)だけでも100種以上、銘柄については数えきれないほどに存在するそうだ。味も多種多様で、従来の「とりあえずビール」の需要とは違った、自分で好みの味を選ぶ楽しみ方ができるのがクラフトビールと言えよう。記者会見の会場にもなったキリンシティプラスのように、色々なクラフトビールを扱う店も増えている。
しかし、普段からクラフトビールを嗜む人はともかく、あまり飲んだことがない人からすると、逆にその種類の多さがネックになって頼みづらい……ということもあり得る。そんな中で、どんな人も好みのクラフトビールを知ることができる一助となるのが今回の「ビアナビ」だ。
「ビアナビ」は、キリンの酒類技術研究所が蓄積してきたデータを用いて、国立研究開発法人産業技術総合研究所に設置された人口知能技術コンソーシアムのAIビリングラボWGと共同で開発したサービス。10問程度の簡単な質問に答えることで、キリンが保有するデータを元に顧客の嗜好を予測し、お勧めのクラフトビールをナビゲーションするというものだ。
質問といっても、ビールをよく飲んでいないと答えられないというものではなく、たとえば「料理の献立を考えるのが好きですか?」「パクチーは好きですか?」など、ライフスタイルや食の嗜好などを中心とした質問で、誰でもすぐに答えられるものばかり。面白いのは、豊富なデータに基づいているため、顧客が自分では気づいていない嗜好を提案してくれるというもの。ただし、今回はテスト段階のため、勧められるクラフトビールは4種と限られているが、すでに最大10種のクラフトビールを勧められるデータを蓄積しているそうだ。さらに機械学習を重ねることで、より精度の高いレコメンドを目指すという。
記者も実際に「ビアナビ」を体験してみた。結果、勧められた「ブルックリン ラガー」を試飲。ホップの香りが華やかで、爽やかでありながら軽すぎない。確かに好みの味だった。
THE21編集部(『THE21オンライン』2018年11月12日 公開)
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