真面目な人ほど陥りやすい「焦りグセ」に要注意

時間,水島広子
(画像=THE21オンライン)

職場でも家でもやることが多すぎて時間がない!と悩んでいる人は多いのではないか。でも、実はそれ、単なる思い込みかもしれない。真面目な日本人が陥りやすい「焦りグセ」とは?精神科医の水島広子氏に教えていただいた。

「忙しさのメガネ」を通していないか?

いつも「時間がない」と焦りを感じている人は少なくないのではないでしょうか。

例えば、今日中にやらなくてはならない仕事があるのに、他の仕事が気になって集中力が散漫になり、目の前の仕事が進まない。あるいは、半年間続いたプロジェクトがやっと終わって、肩の荷が下りるかと思ったのもつかの間、それまで保留にしていた仕事に取りかからないと間に合わない気がして、焦りから抜け出せない。

こういう人は、実際、物理的に忙しいとしても、それ以上に「私は忙しい」という「忙しさのメガネ」を通して現実を見て「忙しい感」を増しているのかもしれません。

「忙しさのメガネ」とは、「あれもやらなければ、これもやらなければ」「あれも終わっていない、これも終わっていない」という思考のフィルターを通して現実を見るメガネのことです。余計なことを考えずに目の前の資料作成に集中すればいいのに、「請求書を作らなきゃ」「あの本読んでない」など「終わっていないこと」が気になってしまい、必要以上に「忙しい」と感じてしまうのです。

そして、常に「終わっていない」という意識のため、仕事を片づけても達成感が得られません。そればかりか、新しい仕事が入ってくると、それにどのくらいの時間がかかるのかを冷静に考えることができなくなり、頭が真っ白になったり、「ただでさえ忙しいのに!」と怒りを感じてしまうこともあります。